ピラティスで肩こりの改善・予防はできる?効果や解消できる理由も解説

ピラティスは肩こりに効果がある?

「最近、肩こりがひどい」
「マッサージをしても次の日にまた肩がこってしまう」

肩こりに関する上記のような悩みは、ピラティスで改善できるかもしれません。

肩こりは男女ともに腰痛に次いで自覚症状を持つ人の割合が多く(※)様々なリスクもあるので身近な症状ながら注意が必要です。
※参照:厚生労働省「国民生活基礎調査」

本記事ではピラティスが肩こり改善におすすめの理由や、効果的なストレッチ方法などを解説していきます。

肩こり改善のためにピラティスを検討している人や肩こりになりにくい体を手に入れたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

ピラティスが肩こり改善・解消に効果的な理由【悪化のリスクは?】

ピラティスで肩こりが改善する理由

ピラティスは以下のような効果があることから、肩こりの改善効果が期待できます。

ただし間違えた動きは首や肩周辺の筋肉がこわばらせて悪化させる原因にもなるため、インストラクター指導のもと正しい姿勢で行いましょう。

ピラティスのどのような点が肩こりに効果的なのか順に詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

姿勢が安定する

ピラティスでは主にコアマッスルが鍛えられるので、体のバランスや姿勢の改善が期待でき、肩こりにも効果的です。

コアマッスルとは下記4つの筋肉のことで、体幹を支える役割をもっています。

コアマッスルとは?
  • 骨盤底筋群
  • 多裂筋
  • 腹横筋
  • 横隔膜

コアマッスルを鍛えると体幹が良くなり体の安定性が高まるので、自然と肩こりになりにくい姿勢を維持できるようになるでしょう。

またピラティスでは、肩こりの原因の1つである背骨の歪みの解消も望めます。

背骨が正しい位置に戻れば肩こり症状が和らぐだけでなく猫背の改善にもつながるため、正しい姿勢を身につけたい人にもおすすめ。

成人の頭の重さは4~6kgほど(※)と言われていて、大玉スイカとほぼ同じ重さのものを常に体で支えながら生活しています。
※参照:兵庫医科大学「保健管理センターだより」

姿勢が悪いと20kg以上もの負荷が頸椎にかかるため、姿勢や体幹の良さは肩こり改善には欠かせないポイントです。

肩や首回りの血流が良くなる

首や肩など様々な筋肉を刺激するピラティスのエクササイズは血流の改善効果もあり、首こりや肩こり症状の緩和が期待できます。

肩こりの原因の1つは血流の悪化なので、首や肩回りの筋肉をほぐして血行を促進させれば健康的な体に近づけるでしょう。

またエクササイズだけでなく、ピラティスで行う胸式呼吸にも血流や代謝の活性化作用があります。

代謝の活性化は太りにくい体や美肌効果も望めるので、肩こりだけでなく美容の面でもピラティスはおすすめです。

肩甲骨の可動域が広くなる

ピラティスでは常に正しいアライメント(※)を意識するので、肩甲骨と連動している筋肉も鍛えられて肩甲骨の可動域が広がりやすくなります。

※アライメントについて

ピラティスにおいてアライメント(Alignment)とは、「骨の並び」「骨同士の相互関係」などを意味します。

骨や関節を本来の位置に戻すこともピラティスの目的の1つなので、エクササイズではアライメントを意識することが大切です。

可動域が広がって肩甲骨を安定して動かせるようになると肩への負担も減り、肩こり解消に近づけるのです。

体の中でも大きい骨の肩甲骨は鎖骨や肋骨、17種類の筋肉と繋がっていてそれぞれバランスを取り合って支えています。

したがって肩甲骨の状態が悪くなると他の部位へも悪影響を及ぼし、肩こりを悪化させる危険性が高いです。

特にマッサージではほぐれにくい首から肩にかけての筋肉は、ピラティスのエクササイズで効率的に刺激してあげましょう。

リラックス効果が得られる

ピラティスはその動きから動く瞑想とも言われていて、呼吸と同時に動きにも集中することでリラックス効果を得ることが可能です。

体がリラックス状態になると、以下の良い影響をもたらしてくれます。

  • 緊張の緩和
    →筋肉がほぐれて肩こり改善に近づける
  • ストレスの軽減
    →メンタル的要因の肩こりのリスクを減らせる

ピラティスは深く呼吸しながら行うことが大切で、深い呼吸は心拍数を安定させ、血圧の低下や脳への酸素供給も促進させてくれます。

精神的なストレスも肩こりの原因なので、ぜひピラティスで心身の緊張を和らげましょう。

肩こりとは?原因やリスクを解説

肩こりとは、首や肩・背中にかけてだるさや重さなどを感じる症状です。

改善するためには原因放置した際のリスクをよく理解し肩こり解消のために行動することが大切なので、以下2つの項目に分けて順に解説します。

※タップすると該当箇所へスクロールします

症状が酷いと痛みや吐き気をともなうこともあるので、原因やリスクを把握して早めの対処をしましょう。

原因

肩こりを引き起こす原因

肩こりの原因は様々ですが、代表的なものは以下の通りです。

原因問題となる行動・症状
生活習慣/
仕事
・運動不足
・寝る時の体勢
・スマホの使い過ぎ
・長時間のデスクワーク
・重労働
精神状態・自律神経の乱れ
・ストレス
・うつ病
・パニック障害
首や肩の疾患・五十肩
・頚椎症
・椎間板ヘルニア

現代人にとってスマホやPCはなくてはならない存在ですが、どちらも長時間の使用は姿勢が崩れやすく肩こりのリスクが増えます

普段デスクワークばかりの人は運動不足にもなりがちなので、意識的に散歩やストレッチなどをして筋肉をほぐしてあげましょう。

またメンタル的な要因にも注意が必要で、例えば人間はストレスを感じると体をこわばらせて筋肉を固くしてしまいます

緊張が続いて筋肉が固い状態が続きストレス解消をしないと、睡眠不足など日常生活にも悪影響をおよぼす可能性も。

さらに首や肩の疾患のほか高血圧や内臓系の病気が原因で肩こりになることもあり、解消には元となる疾患の治癒が必要です。

肩こりがあまりにひどい場合は無理をせず、要因を把握し適切な対策をとるため、かかりつけの医師の診断を受けてみてください。

引き起こすリスク

肩こりはよくみられる症状ではありますが、放置すると下記のような症状を引き起こすリスクがあるので注意が必要です。

  • 頭痛
  • 手のしびれ
  • 耳鳴り
  • 不眠
  • 自律神経失調症
  • うつ病

血行不良による肩こりが続くと脳に充分な酸素が行き渡らなくなり、頭痛を感じる場合があります。

筋肉がこり固まると神経が圧迫され、手の痺れや耳鳴りの症状が現れる時もあるようです。

また肩がこっていると筋肉が緊張して交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズにできず、睡眠不足になる可能性もあります。

不眠が続いてストレスが溜まると、うつ病などの精神的な疾患に発展するリスクがあるので早めの対処が必要です。

以上のように肩こりは様々な症状を引き起こす恐れがあるので、ピラティスで改善に臨んだり、後述するエクササイズも実践しながら改善をはかってみましょう。

肩こりが改善しない原因

肩こりがなかなか改善しないと悩んでいる人は、以下のいずれかに当てはまる場合が多いのではないでしょうか。

  • マッサージを受け続けているだけ
  • 同じ生活習慣をずっと続けている
  • 肩こりの原因がよく分からない

肩こりを治す方法としてマッサージを思い浮かべる人が多いと思いますが、効果は薄く症状が改善されたとしても一時的です。

体の外から筋肉を押したり揉んだりするマッサージは、筋肉の繊維を傷つける可能性もあります。

傷ついた筋肉は修復時にさらに固まり、肩こりをより悪化させる恐れがあるので注意が必要です。

肩こりの原因である筋肉の緊張をほぐすにはマッサージなどの外的な刺激よりも、生活習慣を改善するのがより効果的でしょう。

以下に肩こり解消のために改善するべき生活習慣の例を挙げるので、参考にしてみてください。

  • 運動
    • 適度な運動は効果的
    • 過度な運動は肩を痛める可能性があるので注意
  • 姿勢
    • 寝ころびながら本を読まない
    • PC操作時は前傾姿勢にならないように注意
  • 目の酷使
    • 暗い場所で本やスマホを見ない
    • メガネの度が合っているか確認する
    • 1分間目を閉じるだけでも効果的
    • サイズが合わない靴やハイヒールは肩こりや腰痛のもとになる

例えばデスクワークで座ったままの時間が長い場合は1時間に数回ストレッチを行うなど、簡単にできることから始めてみてください。

ただし肩こりの原因は人それぞれなので、対処方法も人によって異なります

原因がよく分からない場合は自分で判断せず、整形外科などを受診して適切な対処法を実践してみましょう。

ピラティスの肩こり改善に効くエクササイズを紹介

ここからは、肩こり改善に効果的なピラティスのエクササイズを紹介していきます。

いずれも家ですぐに実践できるエクササイズなので、以降で解説するやり方を見ながら動きを真似してみてください。

リバースプランク

背中や肩周りの筋肉を鍛えられるリバースプランクのやり方は、以下の通りです。

  1. 親指が内側に来るように後ろに手をつき、ひざを曲げて座る
  2. 両手・両足を使って、お尻を床と水平になるまで持ち上げる
  3. そのままの状態を20秒キープする
  4. お尻をゆっくり下ろす
  5. 2~3を数回繰り返す

リバースプランクは腹筋やお尻の筋肉も刺激できるうえ、簡単に実践できる点がメリット。

脊椎が安定するため姿勢の改善も見込めますが、以下の点には注意が必要です。

  • 呼吸を止めず、鼻から息を吸って口から吐く
  • 腕や肩ではなく、腹筋に力を入れる

リバースプランクは体を床と水平にキープする必要があるため、集中しすぎて呼吸が止まってしまう事があります

呼吸をしないと身体に酸素が回りやすくなり、心臓や血管に負担がかかるので気をつけましょう。

腕や肩に力が入りすぎて体勢が崩れてしまう人は、腹筋に力を入れて体幹で体全体を支えるイメージで行ってみてください。

またお尻が床と水平の位置まで上がらない場合は筋力が弱い可能性があるので、筋トレと合わせてエクササイズしてみましょう。

ウォールストレッチ

手軽に肩甲骨を鍛えられるウォールストレッチは、以下の手順で行います。

  1. 両手を壁につけ、肩の高さに合わせる
  2. 両手をゆっくり上下に動かす
  3. 2を数回行ったあと、壁から離れて両手を前方へ大きく伸ばす
  4. 両手の手の平を合わせ、ゆっくり息を吸いながら頭上に持ち上げる

上記2のタイミングでは、肩甲骨が動いている感覚を意識しながら行うのがポイントです。

初心者でも実践しやすく家でも簡単にできるエクササイズなので、スキマ時間を見つけて動きを習得してみてください。

サイドライン・スキャプラローテーション

ウォールストレッチに慣れてきたら、次はサイドライン・スキャプラローテーションに挑戦してみましょう。

  1. 仰向けになり、右を向く
  2. 脚を揃えて両ひざを曲げる
  3. 前ならえをするように両手を伸ばして、手のひらを合わせる
  4. 肩甲骨周りを意識しながら右腕を反対側に広げていく
  5. この時に視線を指先に向ける
  6. 身体が伸びているのを感じながら元の姿勢に戻る
  7. この動きを(15~20回/1~3セット)繰り返す

腕を広げる際に膝が離れたり、下半身が動くと効果が得られないので注意が必要です。

ストレッチすることで肩甲骨回りの筋肉にアプローチできるので、肩こりに悩んでいる人はぜひ覚えておいてください。

オールフォースキャプラローテーション

より本格的なストレッチをしたい人は、以下で紹介するオールフォースキャプラローテーションがおすすめです。

  1. 四つん這いになり、右手を頭の後ろに当てる
  2. 息を吸いながら、ひじを左側へ倒すように体をねじる
  3. 息を吐きながら元の体勢に戻る
  4. 2~3を数回繰り返し、反対側も同様にストレッチする

オールフォースキャプラローテーションは肩甲骨を大きく動かすので、肩こり解消に高い効果が期待できます

しかし無理に行うと筋肉を傷つけてしまい、逆に悪化させてしまう恐れがあるため注意しましょう。

体の緊張をほぐすというストレッチ本来の目的を忘れず、ゆっくりと無理せず行うよう心がけてください。

ピラティスと肩こりに関するよくある質問と回答

ピラティスや肩こりについて、よくある質問と回答をまとめました。

肩こりに悩んでいる人は、知識を深めてからピラティスを始めてみましょう。

ヨガやストレッチとの違いは?

ピラティスはヨガやストレッチと動きが似ていますが、以下のようにそれぞれ目的が大きく異なります

項目目的
ピラティスインナーマッスルを鍛える
ヨガメンタルを鍛える
ストレッチ運動前に筋肉の緊張をほぐす

元々は負傷兵のリハビリのために考案されたピラティスは、インナーマッスルを鍛えて心身の健康を目指すエクササイズです。

対してヨガは腹式呼吸を取り入れて体をリラックス状態にさせ、精神を安定させて瞑想に適した状態に近づけてくれます。

ストレッチは運動の前に行う準備運動のようなもので、ピラティスの前に行うのも効果的です。

先ほど解説したように肩こりに効くストレッチもあるので、筋肉をほぐしたい時は積極的に行ってみましょう。

別の記事ではピラティスとヨガの違いを詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。

マシンピラティスはどんな人におすすめ?

専用のマシンを使ってエクササイズができるマシンピラティスは、以下のような人におすすめです。

  • 本格的なピラティスを実践したい人
  • 特定の部位のみ鍛えたい人
  • 筋力に自信がない人
  • ピラティス初心者

ピラティスはマットがあれば自宅でも行えますが、より本格的なエクササイズを実践したい人はマシンの使用がおすすめです。

体全体はもちろん、気になる部位のみ鍛えられるのもマシンピラティスのメリット。

負荷の調整もできるため、「筋力には自信がないけどエクササイズしてみたい」という人にも向いています。

マットピラティスと比べて正しいフォームが身につきやすいので、ピラティスに触れたことがない人でもすんなり始められるでしょう。

ただし導入費用やマシンの大きさから自宅で行うのは難しく、環境が整ったピラティススタジオを探す必要があります。

現在は国内でも多くのスタジオがオープンしているので、ぜひ自分に合ったところを見つけてみてください。

女性専用「マシンピラティス」スタジオ【the SILK】

theSILK公式サイトのLP画像

(引用:theSILK公式サイト

the SILKは受講者の希望や目的にあわせて全身から気になる部位のシェイプアップや姿勢改善メニューを揃えています。

初心者でも「楽しく体を動かせる」ように音楽にあわせて専用マシン「リフォーマー」でトレーニングを行うのが特徴です。

  • 全身から気になる部位まで受講者のお悩みにあわせたトレーニングを提供
  • 音楽を流しながら専用マシンでレッスンをするので初心者でも楽しく参加できる
  • スタジオ内は白を基調にした清潔感のある空間&パウダールームのアメニティも充実

初めてならレンタルウェアやタオルなどのセット付きのため、「てぶら」で無料体験レッスンが受けられます!

ピラティスは肩こりに効果的!正しい姿勢を身につけて根本的に改善しよう

首や肩回りの筋肉を刺激してくれるピラティスは肩こりに効果的で、正しい姿勢も身につきやすくなります。

体のバランスが保てれば自然と肩こりになりにくくなるので、症状を根本から改善したい人におすすめです。

元々はリハビリ用に考案されたと言われているエクササイズなので、体力に自信がない人でも無理なく始められるでしょう。

肩こりの解消以外にも、ピラティスには以下のように多数のメリットがあります

【ピラティスで期待できる効果】

  • 疲れにくくなる
  • 太りにくくなる
  • 肌のくすみが目立たなくなる
  • 猫背や巻き肩の改善
  • 内臓機能アップ
  • ストレス緩和

肩こりに悩まされている人はもちろん、内面から綺麗になりたい女性もぜひピラティスを始めてみてください。

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著者

蓮見 恵莉のアバター 蓮見 恵莉 the SILKインストラクター

【保有資格】
PSGA JAPANコンプリヘンシブ マスターインストラクター
IBMA認定ピラティスベーシック
IBMA認定ヨガベーシック
・コラーゲンスタジオ協会認定 マスターインストラクター
・アスリートフードマイスター初級
・美肌食マイスター初級

【その他】
・グループリフォーマープログラム監修

【プロフィール/経歴】
23歳で出産の後、フィットネスクラブでインストラクターの活動をはじめる。ヨガ、ピラティス、ストレッチ、セルフマッサージクラスなどの指導をして10年。現在はフリーのインストラクターとしてスタジオレッスン、パーソナルトレーニングの指導をメインに、PSGA JAPAN等の養成講師も務める。

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