長時間のデスクワークで首・肩こりや腰痛に悩み、「正しい姿勢や座り方を知りたい」と思う方は多いでしょう。
姿勢が歪んだまま座り仕事をしていると節々を痛めるほか、頭痛やめまいに繋がり仕事や生活に支障をきたす可能性もあります。
せっかく頑張って仕事をしているのに、身体を壊すようなことや体型が崩れてしまうことは避けたいですよね。
そこで本記事ではデスクワークの身体への影響を分析し、正しい姿勢と座り方を分かりやすく解説!
簡単にできるストレッチ・エクササイズや椅子の選び方・おすすめグッズなども詳しく紹介するので、今日からすぐに姿勢改善に取り組めます。
姿勢を正すことで作業効率が上がるほかプライベートの生活習慣も健康的になるので、ぜひ本記事を参考にして肩こり・腰痛に悩まない日々に変えましょう。
蓮見 恵莉
(the SILKインストラクター)
【保有資格】
・PSGA JAPANコンプリヘンシブ マスターインストラクター
・IBMA認定ピラティスベーシック
・IBMA認定ヨガベーシック
・コラーゲンスタジオ協会認定 マスターインストラクター
・アスリートフードマイスター初級
・美肌食マイスター初級
【その他】
・グループリフォーマープログラム監修
【プロフィール/経歴】
the SILKの在籍インストラクター。
23歳で出産の後、フィットネスクラブでインストラクターの活動をはじめる。
ヨガ、ピラティス、ストレッチ、セルフマッサージクラスなどの指導をして10年。
現在はフリーのインストラクターとしてスタジオレッスン、パーソナルトレーニングの指導をメインに、PSGA JAPAN等の養成講師も務める。
デスクワーク(座り仕事)の姿勢・座り方が身体に与える影響
長時間のデスクワークは正しい座り方を保つことが難しく、ただし悪い姿勢を続けると以下のように様々な健康問題を引き起こす危険があります。
特に働き盛りの20代から50代前半の方にとっては負担がかかりやすいので、まずは身体への悪影響を理解して作業効率を上げられるよう意識改善していきましょう。
反り腰やひどい腰痛の原因になる
デスクワーク中の不適切な座り方は反り腰やひどい腰痛の原因となり、長年悩み続けることになるので改善が必要です。
反り腰とは背中から腰にかけて過剰に後ろへ反ってしまっている状態のことで、この姿勢を長時間続けると慢性的な腰痛に繋がります。
実際に反り腰や腰痛に関する調査結果が、以下のように報告されました。
- 座っている姿勢は立っている時よりも腰への負担が40%も大きい
※参照:スウェーデンの整形外科医ナッケムソンの研究「National Library of Medicine」 - 20代女性の34.8%・30代女性の47.8%が治療を必要とするほどの腰痛を経験している
※参照:日本整形外科学会「腰痛に関する全国調査2003年」
特に椅子に浅く腰掛けて胸を張り、腰をグイッと反らして座る「モデル座り」を続けると、背骨の自然なS字カーブが損なわれ腰を痛めるので注意しましょう。
デスクワークによる不適切な姿勢が一因となっている可能性が高いため、正しい姿勢を意識して腰への負担を軽減させましょう。
巻き肩や猫背になり首・肩こりを引き起こす
デスクワーク中は巻き肩や猫背になりやすく、首や肩のこりの原因となります。
- 巻き肩
肩が正常な位置より前方の内側に入った状態 - 猫背
背骨が曲がり背中全体が丸くなった姿勢
巻き肩や猫背の姿勢を続けると首や肩の筋肉が過度に緊張し、血流が滞ることで肩こりが生じやすくなります。
また頭の位置が前に出ることで首の後ろの筋肉に余分な負担がかかり、ひどくなると頭痛に繋がるでしょう。
実際に厚生労働省の調査(※)によると、肩こりは男性の9.6%・女性の13.5%が抱える症状であり、特に働き盛りの年齢層に多く見られました。
※参照:厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査」
正しい椅子の座り方や、デスクワーク中でもできる簡単なストレッチを行うことで予防・改善をしましょう。
骨格がゆがむ
デスクワークにおける以下のような姿勢は、長期的に骨格のゆがみを引き起こしてしまいます。
- モデル座り
椅子に浅く腰掛けて胸を張り、腰をグイッと反らして座る姿勢 - 猫背
背骨が曲がり背中全体が丸くなった姿勢 - ずっこけ座り
お尻が背もたれより前に出て、背もたれに寄り掛かかる姿勢
本来の背骨はSカーブの形で骨盤にかかる負担を逃していますが、特に猫背やずっこけ座りは背骨がCカーブとなってしまい腰痛になりやすいです。
また筋肉のバランスや背骨の位置がずれることで下半身太りやぽっこりお腹が目立つほか、脊柱側弯症(※)のリスクが高まります。
※脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう):脊柱を正面から見た場合に、左右に曲がっている状態
骨格のゆがみ予防のためには正しい姿勢を意識するほか、定期的に姿勢を変えたりデスクワーク前後にストレッチや運動を行ったりすることが重要です。
骨格のゆがみは一朝一夕には改善されませんが、椅子や作業環境を整えることも効果的なので日々の積み重ねを意識しましょう。
眼精疲労やドライアイになる
デスクワークの姿勢や環境が悪いと、眼精疲労やドライアイを引き起こしやすいです。
- 眼精疲労
長時間ディスプレイを見続けることで目の周りの筋肉が緊張して疲れやすくなる - ドライアイ
集中しすぎて瞬きの回数が減り、目が乾燥しやすくなる
デスクワークはもともと目へのリスクがありますが、悪い姿勢でパソコンの画面との距離が近くなってしまうとさらに悪化し、頭痛やめまいに繋がりかねません。
眼精疲労やドライアイを予防するためには正しい姿勢と、適切なディスプレイとの距離を保ちましょう。
また定期的に目を休ませる・意識的に瞬きをするほか、ブルーライトカットメガネを使用することで目を守ることも大切です。
血行不良により疲れやすく・太りやすくなる
デスクワークで長時間同じ姿勢を続けると、血行不良を引き起こし疲れやすさや太りやすさに繋がるので注意しましょう。
血行不良は身体の代謝を低下させ疲労物質の蓄積を促進するため、全身の疲れや下半身のむくみに繋がります。
さらにエネルギー消費量が減少することで太りやすい体質になるだけでなく、運動しようとしても疲れた身体ではできないという悪循環に陥ることも。
実際に厚生労働省の調査(※)によると、1日の座位時間が長い人ほど肥満や生活習慣病のリスクが高まることが分かっており、定期的な軽い運動が必要です。
※参照:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」
正しい姿勢をキープすることでインナーマッスルの強化にも繋がり、自然と体幹の筋肉のエクササイズにもなるので常に意識しましょう。
本記事ではデスクワーク中にできるストレッチや、デスクワーク前後にできる簡単なエクササイズを紹介しているのでぜひ実践してください。
集中力の低下に繋がる
デスクワークで長時間同じ姿勢を続けると身体が疲労し、脳への血流や酸素の供給が減少することで集中力が低下します。
また長時間のデスクワークによる腰痛や肩こりが生じると痛みや不快感に注意が向いてしまい、作業に集中できなくなることも。
集中力を維持するためには定期的に姿勢を変えたり、短い休憩を取ったりすることが重要です。
休憩時間には軽いストレッチや深呼吸を行ってリフレッシュし、次の作業への集中力を高めましょう。
デスクワーク中の座り方・姿勢改善のために有効な手段4つ
デスクワーク中の長時間の座位姿勢は身体に悪影響を及ぼしますが、以下4つの手段で改善・予防することできます。
座り方改善のための有効手段 | 内容 |
---|---|
①正しい姿勢を理解する | ・基本的な座り姿勢のポイントを押さえる ・定期的に自分の姿勢を確認する |
②作業環境を整える | ・椅子やデスクの高さ、モニターの位置など作業環境の整備 ・機能性の高いオフィスチェアやクッションを利用 |
③休憩を挟みストレッチをする | ・いい姿勢を保つためのストレッチ ・血流をよくするためのストレッチ |
④日常的にエクササイズをする | ・運動不足解消のエクササイズ ・肩こりや腰痛のケア |
それぞれを①~④まで順に実践することで、デスクワークによる身体への悪影響を最小限に抑えることができます。
次項では具体的な正しい姿勢・座り方から簡単なエクササイズまで、詳しく解説するのでぜひ確認してください。
デスクワーク中の正しい姿勢と椅子の座り方
デスクワーク中の、正しい姿勢・座り方のポイントを以下の順で詳しく解説していきます。
デスクワーク中の正しい姿勢・椅子の座り方は身体への負担を軽減し、効率的に作業を行うために非常に重要です。
現在の自分の姿勢を確認し、それぞれポイントをふまえながら一つずつ実践してみましょう。
深く座り坐骨を座面に当てて骨盤を立てる
正しい座り方の基本として、椅子に深く座り坐骨を座面にしっかりと当てて骨盤を立てることが大切です。
「骨盤を立てる」とは、腰を適度に反らし背骨の自然なS字カーブを維持することを意味します。
まずは骨盤を立てるために、坐骨が座面に正しく乗っているかを確認しましょう。
坐骨の位置チェック
- 坐骨の位置:椅子に座った際にお尻の下に骨が当たる箇所
↳感覚が分からない場合:お尻の下に両手を入れて左右に身体を揺らした際に硬く当たる部分
最終的に坐骨の上に頭が乗る位置が正しい姿勢なので、まずは坐骨が座面に均等に当たっているか確認し、上半身の意識へ繋げていきましょう。
足裏・踵(かかと)を床にしっかりつける
骨盤を正常な位置に保ったら足裏と踵(かかと)を床にしっかりとつけ、土台を完成させましょう。
安定した姿勢を維持するポイント
- 足裏全体が床につく高さに椅子を調整し、膝が約90度に曲がるようにする
- つま先や踵だけでなく、足裏全体に均等に体重が乗るようにする
万が一床に足裏が届かない場合は、フットレストを活用しましょう。
フットレストとは座っているときに使う足置きのことで、床に置くタイプであれば姿勢の安定が図れます。
角度が調整できるものであれば、より自分の姿勢に合わせやすいのでおすすめです。
腹圧を入れて背筋を伸ばす
骨盤・足の裏で土台をしっかり作ったら、腹圧を入れて背筋を伸ばしてみましょう。
軽く息を吸ってお腹に力を入れることで体幹が安定し、長時間の作業でも疲れにくくなります。
尚、以下の状態だとかえって身体を痛める可能性があるので注意してください。
- 胸を張りすぎると、反り腰になってしまい腰を痛める
- 肩に力が入ってすくむ・丸まると巻き肩の原因になる
もし肩が前に出てしまう場合は、両肩にそれぞれ手を置いて大きく後ろ回しを3回行い、肩の力を抜いてください。
肩の位置が正しくなり自然と胸が開いて呼吸も楽になるので、デスクワーク中に行うのがおすすめです。
またどうしても作業中に背中が丸まってしまう場合は、硬めのクッションを腰や背中で挟み、寄りかかりすぎないように意識するといいでしょう。
顎を引いて頭から坐骨まで一直線にする
骨盤から背骨まで正しい姿勢になったら、顎を軽く引き頭から坐骨まで一直線になるようにしましょう。
頭の位置が正しいと首や肩への負担を軽減し、長時間のデスクワークでも疲れにくくなります。
またアメリカの医学誌(※)において、頭が前に1インチ(約2.5cm)傾くごとに首にかかる負担は約4.5kgずつ増加すると報告されました。
※参照:Assessment of Stresses in theCervical Spine Caused by Posture andPosition of the Head
作業に没頭しているとどんどん頭が傾いたり首が前に出たりするので、下半身・上半身ともに頭の位置も意識することが大切です。
万が一正しい姿勢を意識しても頭や首の位置が合わない・腰が痛いなどあれば、デスク周りの環境を整えましょう。
座る環境に合わせて姿勢を整える
正しい姿勢を保つためには、デスクの高さ・椅子の調節・モニターの位置などを作業環境に応じて適切に調整することが大切です。
椅子に座る・ソファに腰掛ける・床に座るパターン別に、それぞれ以下のポイントをチェックしましょう。
- モニターの位置は目線よりやや下に設置
(視線が下に15度程度傾くようにする) - モニターと目の距離を40cm程度離す
- キーボードやマウスは、肘が90度に曲がる位置に設置
- 手首は手の甲側に15度程度曲がるよう、角度を調整
- 腰にもたれるイメージで固めのクッションを用意
- 膝が90度に曲がるように、椅子の高さを調整
机や椅子など新しいものを買うお金がない・会社支給で変えられない方は、読まない本などをパソコンの下に置くことで高さ調節ができます。
また姿勢保持のためにクッションを利用する場合は、「腰でもたれる」位置に置きましょう。
背中にもたれるイメージだと徐々に背中が丸まってしまうので、常に骨盤を立てられるよう腰の後ろに置くのがおすすめです。
次項では姿勢改善に繋がる環境やおすすめグッズを具体的に紹介するので、これから対策したい方はぜひ参考にしてください。
デスクワーク中の姿勢改善に繋がる環境整備やおすすめグッズ
デスクワーク中の姿勢改善には、以下のような適切な環境整備とグッズの活用が効果的です。
正しい姿勢を意識することは大切ですが、定着するまでに時間がかかる傾向にあります。
それまでに身体への負担を減らせるよう、デスク周りの環境整備やサポートグッズをぜひ活用してくださいね。
ディスプレイの高さ・距離を調整する
デスクワークにおけるディスプレイの高さや距離は、以下の水準が推奨されています。
- ディスプレイの上端が目線と同じか、やや下になる高さ(視線が下に15度程度傾く程度)
- ディスプレイとの距離は40cm以上離す
椅子やデスクの高さを調整するか、PCやモニターの下に台を置き、高さを調整してみましょう。
ディスプレイの高さ調整には以下のようなディスプレイ/パソコン用スタンドの活用がおすすめですが、取り急ぎの対策なら不要な本などを下に置くのもOKです。
ディスプレイ/パソコン用スタンドの種類
種類 | おすすめポイント |
---|---|
卓上に置くタイプ | ・ディスプレイ下にキーボードなどを収納可能 |
アームタイプ | ・角度や高さが調節可能 ・熱がこもりにくい |
アームタイプであれば角度が調整できるので、自分の姿勢に合わせやすいです。
ただし正しい姿勢でも長時間のデスクワークは目に負担がかかるので、20分おきに20秒間20フィート(約6m)先を見る「20-20-20ルール」も取り入れましょう。
負担がかかりにくいオフィスチェアを選ぶ
デスクワークで正しい姿勢を長時間保持できるよう、以下のポイントを考慮してオフィスチェアを選びましょう。
- 床に足の裏全体がつくよう調整できるか
- お尻に対して座面が小さすぎないか、大きすぎないか
デスクワーク用チェアの中には、骨盤を立てた姿勢をキープしやすい椅子がおすすめです。
たとえばロッキング機能付きであれば背もたれと座面が連動しているため、前かがみになっても座面が傾き、骨盤と背骨の正しい位置を常にキープしてくれます。
また腰あたりを覆う形で骨盤をサポートしてくれるものがありますが、体格によって合う・合わないがあるので必ず試してから購入してください。
座面の素材はやや硬めのウレタンなどで適度に体圧を分散できるものを選ぶと、偏った姿勢になりにくいでしょう。
機能性クッションの上に座る
正しい姿勢を意識していても慣れるまでは自力で保ち続けるのは難しいので、機能性クッションを活用しましょう。
クッションには主に以下の2種類があるので、それぞれ目的に合わせて選ぶのがおすすめです。
クッション | おすすめポイント |
---|---|
膝に抱えるタイプ | ・背中が丸くなることを防ぎ姿勢を正しく保つ |
椅子の上に敷くタイプ | ・骨盤を立てた状態を維持しやすい ・体圧を分散させ腰やお尻が痛くなりにくい |
ただし座面の高さが高くなってしまうので、クッションの厚みを含めて適切な高さになるように調整してください。
またクッションは椅子の形状や体格によっても使用感が異なるので、椅子の試し座り前にクッションを先んじて買うことは避けるのが賢明です。
姿勢矯正・補正ベルト
最初は正しい姿勢を意識していても仕事や作業に集中すると姿勢が崩れやすいので、以下のような姿勢矯正や補正ベルトを利用するのも一つの手です。
- 姿勢矯正ベルト
背筋を伸ばし肩甲骨を寄せる・猫背や巻き肩の改善 - 腰回り補正ベルト
骨盤を立てやすく、正しい姿勢をキープしやすい
初めから長時間使用すると身体を痛める可能性があるので、1日2〜3時間程度から使用しましょう。
尚、あくまで姿勢矯正ベルトはサポートに過ぎないので、自分の筋肉の力で姿勢保持できるようになることが大切です。
次項で紹介するデスクワーク中にできる簡単なストレッチや、日常的なエクササイズもあわせて取り組み筋肉強化もしてみてください。
デスクワーク中にできる!正しい姿勢・座り方を保つ簡単ストレッチ
デスクワーク中にでも簡単にできる気軽なストレッチを、厳選して部位ごとに紹介します。
長時間座りっぱなしだと血流が悪くなるので、こまめに休憩をはさみ簡単ストレッチするのがおすすめです。
首や肩・肩甲骨のストレッチ
首や肩のストレッチはデスクワークによる緊張を和らげ血行を促進するため、以下のストレッチを行いましょう。
効果:首・肩こりの改善
- 右肩を落とす
- 首を左側に倒し、首と肩を離す
- 10秒ほどキープする
- 反対も同様に行う
首周りは繊細のため、過度に伸ばしたり、無理に動かすと頭痛や首の痛みにつながることがあるため注意が必要です。
特に首の側屈に関しては頭を手で下げることはせずに、肩を首から引き離すイメージでストレッチをしてください。
また肩回しでは前から後ろに回した最後の位置でストンッと力を抜くと正常の位置になるので、作業中に巻き肩・猫背になってしまった際におすすめです。
腰のストレッチ
腰のストレッチは長時間の座位作業による腰への負担を軽減できるので、以下のストレッチを行いましょう。
効果:背中の筋肉の緊張緩和
- 椅子に座ったまま右手を左膝の上に置く
- 背中を左方向にゆっくりとひねる
- 10秒ほどキープする
- 反対も同様に行う
腰痛持ちの方の多くはお尻の筋肉が硬い傾向にあるので、まずは臀部のストレッチを行うのがおすすめです。
また腰が痛い中で無理にひねるとさらに腰を痛める可能性があるので、無理のない範囲で行いましょう。
尚、腰への負担軽減は体幹部のインナーマッスルを鍛えることが重要で、日ごろから運動することで正しい姿勢もキープしやすくなります。
起床後や寝る前などデスクワーク前後にできるエクササイズを行い、美姿勢の土台を作ることが大切です。
足首・脚のストレッチやエクササイズ
足首や脚のストレッチは血行促進とむくみ予防に効果があるため、以下のストレッチを行いましょう。
効果:下半身のむくみ改善・血行促進
- 椅子に座ったまま、右膝の上に左足首を乗せる
- 足首を左手で固定する
- 左のつま先を右手で持つ
- ゆっくり5回ずつ右回し・左回しを行う
- 反対も同様に行う
デスクワークの中でも会議や外回りで立ったり座ったりを繰り返す方は適度な運動になりますが、座りっぱなしの場合は上記の運動を取り入れましょう。
机の下でこっそりできるものが多く、周囲の目を気にせずにストレッチができます。
時間がある方はデスクワーク前後にエクササイズを取り入れることで下半身太りなどを予防・改善できるので、次項の運動もあわせて取り入れてください。
デスクワークの前後にできる!姿勢・座り方改善エクササイズ
デスクワークなどで座る時間が長い方は、起床後や就寝前など空いている時間にストレッチ・エクササイズを行うことがおすすめです。
次項から以下の3つに分けて、ストレッチやヨガ・ピラティスでも行われる簡単なエクササイズを紹介します。
適度な運動習慣を取り入れることで、デスクワーク時に必要な筋肉が使われやすくなり身体への負担軽減に繋がるので、早速試してみましょう。
背中のストレッチ
背中のストレッチは猫背の改善や肩こりの予防に繋がるので、以下のストレッチを1日2セットほど行いましょう。
効果:肩こり改善・背中の筋肉の緊張緩和
- 壁に背中をつけて立つ
- 両腕を90度に曲げて壁につける
- ゆっくりと腕を上げて下ろす
- 10回ほど行う
起床後に行えばその日1日の姿勢キープに反映され、就寝前に行えば身体の疲れや凝りを軽減してくれます。
身体の背面部は肩・背骨・腰など、デスクワーク時に負担がかかりやすい部位が集結しているので、日常的にケアすることが大切です。
さらに猫背改善のストレッチを知りたい方はこちら!
>>猫背を治すストレッチを紹介!自宅やオフィスで座ったままでもできる簡単な改善方法
前もものエクササイズ・ストレッチ
デスクワーク時は太ももの筋肉が硬くなりやすいので、以下のエクササイズ・ストレッチを1日2セットほど行いましょう。
効果:前もものストレッチ・下半身のむくみ改善
- 両手を腰に当て、右脚を大きく前に踏み出す
- 上体は動かさずに、5秒かけて右膝が直角に曲がるところまで腰を落とす
- 5秒間そのままの姿勢をキープ
- 5秒かけて、膝が伸び切らないところまで上体を引き上げる
- 10回ほど繰り返す
- 反対も同様に行う
デスクワークにより股関節や太ももが硬くなると、血行不良になり下半身太りやむくみに繋がります。
ランジは後ろ足の太ももにストレッチをかけながらトレーニングを行うので、前ももがパンパンなことが悩みの方におすすめです。
クワッドストレッチは立ったままでもできますが、横向きの方がリラックスできるので、寝る前に行ってむくみを改善させましょう。
さらに寝ながらできる反り腰改善方法を知りたい方はこちら!
>>寝ながらできる反り腰改善のストレッチ!簡単なエクササイズや治し方を紹介
ドローイン
ドローインは腹部のインナーマッスルを鍛えることができ、体幹を安定させて正しい姿勢の維持に役立ちます。
以下の手順で1日10セットほど行いましょう。
- 仰向けに寝て、膝を立てる
- 5秒かけて息を大きく鼻から吸って、お腹を膨らませる
- 7~8秒かけて口から息を吐きだす
- 最後までお腹を凹ませ、へそを背中に近づけるイメージで腹部に力を入れる
- 再び鼻で息を大きく吸って、口から吐くを繰り返す
ドローインはインナーマッスルの中でも呼吸筋や姿勢保持のための筋肉強化を促します。
腰痛持ちの方でも腰に負担をかけずにできるエクササイズなので、デスクワーク中心で運動不足の方でも安心して取り組めるでしょう。
姿勢保持のために運動をしようと張り切るとかえって身体を痛める可能性があるので、徐々に強度を上げていくことが大切です。
さらに腹筋のインナーマッスルの鍛え方を知りたい方はこちら!
>>腹筋のインナーマッスルの鍛え方!効果が出るまでの期間も解説
根本から姿勢・身体の不調を改善するなら、継続的な運動が大切
デスクワークによる姿勢の悪化や身体の不調を根本から改善するためには、継続的な運動が欠かせません。
ただし「激しい運動は続かない」「一人では継続が難しい」などで悩む方には、根本からの姿勢改善に特化したピラティスがおすすめです。
ピラティスの魅力
項目 | 詳細 |
---|---|
姿勢改善 | デスクワークによる猫背や肩こりの改善 |
体幹強化 | インナーマッスルを鍛えて姿勢キープを促進 |
ストレス軽減 | 呼吸法を重視し、心身をリラックスさせる |
怪我のリスクが低い | 激しい動きが少なく、運動が苦手な方でも安心 |
柔軟性向上 | 身体の柔軟性が高まり、痛めにくくなる |
ピラティスは正しい姿勢を意識して行うエクササイズで、さらに体幹を意識した動作でインナーマッスルを鍛えるため、一時的ではなく継続的な姿勢改善に繋がります。
また深い呼吸(酸素)を身体の隅々に届けられるので、普段デスクワークで凝り固まった心身がほぐれてリラックス効果も高いのがポイントです。
ピラティスが初めての方はまずはスタジオに通い、インストラクターから正しいフォームや適切な動きを習得しましょう。
慣れてきたら自宅でもできるようになるので、まずは週1~2回から始めて姿勢を良くする習慣をつけるのがおすすめです。
ピラティス・マシンピラティスについて詳しく知りたい方はこちら!
>>ピラティスとは
>>マシンピラティスとは
さらに姿勢を良くする習慣について知りたい方はこちら!
>>姿勢を良くする習慣は?改善する方法や自宅でできる簡単なトレーニング方法も解説
女性専用「マシンピラティス」スタジオ【the SILK】
the SILKは女性専用のマシンピラティススタジオで、初心者や運動不足の方でも始めやすいのが特徴です。
- 初心者でも正しいフォームが身につく
- 悩みに合わせた10種類のプログラムを用意
- 音楽に合わせて楽しく身体を動かす独自のエクササイズ
- アメニティが充実◎レッスン後のお出かけもOK
バネの力を利用した専用マシン(リフォーマー)が姿勢をサポートしてくれるので、筋力が少ない方や初心者でも正しいフォームが身につきます。
身体の柔軟性を高めつつインナーマッスルを強化するので、肩こり・腰痛・下半身太りを改善しつつ、女性らしいしなやかなボディラインを目指せるでしょう。
デスクワークにおけるお悩みがある方は、まずは無料カウンセリング・体験にお越しいただき気軽にご相談ください。
\初心者でも美姿勢を目指せる/
デスクワーク中の姿勢・座り方に関するよくある質問
デスクワーク中の姿勢や座り方に関する、よくある質問に回答します。
正しい姿勢をキープできるよう、ぜひ最後まで確認してください。
Q1:デスクワークで正しい姿勢がつらい・疲れるのはなぜ?どうしたらいい?
椅子に座って正しい姿勢を保つことがつらい・疲れると感じる理由は、主に以下の2点が考えられます。
- 姿勢を支える筋肉が弱っている
- 正しい姿勢に慣れていない
そもそも人間の身体は長時間座れるよう作られていないので、つらいと感じたり楽な姿勢を取ったりすることは自然の原理です。
長時間同じ姿勢を続けることは筋肉を動かさない状態となり、血行不良や凝りに繋がるので、以下の方法で改善しましょう。
方法 | 詳細 |
---|---|
正しい姿勢の時間を徐々に伸ばす | ・最初は5分間だけ正しい姿勢を意識する ・慣れてきたら10分、15分と徐々に時間を延ばす |
こまめに休憩をとり身体を動かす | ・1時間に1回ほど立ち上がる ・休憩時間にストレッチを行う |
日常的にエクササイズを行う | ・起床時や寝る前に体を動かす習慣をつける |
正しい姿勢をキープするためには姿勢保持に使われる筋力を強化する必要があるため、日常的に運動習慣を取り入れましょう。
たとえば姿勢保持で使われるインナーマッスルを強化するには、ピラティスがおすすめです。
Q2:妊娠中(初期・中期)のデスクワークで気を付けるべき姿勢は?
妊娠中のデスクワークでは通常以上に姿勢に気を付ける必要があるため、主に下半身に負荷をかけないよう以下の点に注意しましょう。
- 骨盤を立て、腰椎の自然なカーブを維持する
- 負荷がかかりすぎないよう、クッションを使って腰をサポートする
妊娠中は座っているだけでもお腹が張りやすくなるので、お腹の子を第一に無理をせず作業を続けてみてください。
少しでも不安がある方は医師や職場に相談し、心身ともにストレスをかけないようにしましょう。
デスクワークの正しい姿勢・座り方で、作業効率を上げて身体の不調も改善しよう!
デスクワークで正しい姿勢を意識すると、身体の不調を予防するだけでなく作業効率の向上にも大きく貢献します。
本記事で解説してきた以下のポイントを意識して、日々のデスクワークに取り組みましょう。
正しい姿勢と座り方は一朝一夕で身につくものではないため、日々の積み重ねが重要です。
最初は違和感を感じるかもしれませんが、徐々に体に馴染ませていくことで自然と正しい姿勢が取れるようになります。
まずは正しい姿勢をキープできる筋力をつけられるよう、日常的にストレッチ・エクササイズを行い、運動習慣を取り入れてくださいね。