「ピラティスを寝る前に行うとどんな効果があるの?」
「寝る前のピラティスにおすすめのエクササイズは?」
ピラティスを寝る前に行うことで、リラックス効果が高まり睡眠の質や不眠症の改善※が期待できると言われています。
※参照:厚生労働省(健康づくりのための睡眠ガイド 2023)
本記事では、寝る前のピラティスが睡眠の質向上に効果的と言われる理由を解説!
さっそく寝る前にピラティスを始めたい方向けに、おすすめのエクササイズ4選のやり方や注意点も紹介します。
睡眠改善の他にもピラティスのメリットをまとめて紹介しているので、健康やスタイル維持を目指す方はぜひ参考にしてください。
蓮見 恵莉
(the SILKインストラクター)
【保有資格】
・PSGA JAPANコンプリヘンシブ マスターインストラクター
・IBMA認定ピラティスベーシック
・IBMA認定ヨガベーシック
・コラーゲンスタジオ協会認定 マスターインストラクター
・アスリートフードマイスター初級
・美肌食マイスター初級
【その他】
・グループリフォーマープログラム監修
【プロフィール/経歴】
the SILKの在籍インストラクター。
23歳で出産の後、フィットネスクラブでインストラクターの活動をはじめる。
ヨガ、ピラティス、ストレッチ、セルフマッサージクラスなどの指導をして10年。
現在はフリーのインストラクターとしてスタジオレッスン、パーソナルトレーニングの指導をメインに、PSGA JAPAN等の養成講師も務める。
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そもそもピラティスとは何か
基礎情報が気になる人向けの記事
▶「ピラティスとは」
▶「マシンピラティスとは」
寝る前のピラティスで睡眠の質が改善!【エビデンスあり】
ピラティスを行うと、睡眠の質が改善すると報告している論文があります。
原発性月経困難症の若い女性 30 人が、ピラティス グループ (PG; n = 15) と待機リスト対照グループ (CG; n = 15) にランダムに割り当てられました。ピラティスは週に2回、12週間実施されました。
引用:月経困難症の若い女性の痛み、身体機能、睡眠の質、心理的要因に対するピラティスの影響:予備的なランダム化対照研究
PG では睡眠の質 ( p < 0.01) とストレス ( p < 0.05) が改善されました。
週に2回、12週間のピラティス実施により睡眠の質とストレスの両方が改善する結果となっています。
ストレスを感じるときは交感神経が優位に働きますが、良質な睡眠には副交感神経が優位でなければなりません。
ピラティスには自律神経を整える効果があるため、寝る前に行うことで副交感神経へスムーズに切り替え睡眠の質を改善させる効果が期待できます。
寝る前のピラティスが睡眠の質向上に効果的な理由3つ
寝る前のピラティスが睡眠の質向上に効果的といわれる、具体的な理由を3つ紹介します。
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基本的に寝る前のピラティスは、精神面に作用し眠りを安定させる効果が期待できます。
それぞれ詳しく解説するため、ぜひ目を通してみてください。
瞑想効果で脳がリラックスするから
ピラティスには瞑想効果があり、寝る前に行うことで脳がリラックス状態になることが可能です。
瞑想と聞くと座禅して集中するイメージですが、呼吸法とエクササイズの動きの組み合わせには集中力が必要で、ピラティスは「動く瞑想」ともいわれています。
瞑想は「今この時だけに集中する」いわゆるマインドフルネス状態になりますが、ピラティスを行っているときも同じ状態です。
ピラティスの瞑想効果で脳をリラックス状態にすることで、神経を落ち着かせ良質な睡眠への準備を整えられます。
腸を刺激するとセロトニンが活性化して睡眠ホルモンを分泌するから
ピラティスの胸式呼吸は内臓を刺激するため、腸に多く存在する「セロトニン」を活性化します。
睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を促すメカニズムは以下の通りです。
- ピラティスの呼吸法が横隔膜や腹横筋、骨盤底筋を動かす
- 腸が刺激されてセロトニンが分泌される
- セロトニンからメラトニンが生成される
- 睡眠の質が改善される
「セロトニン」は睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の材料となるため、睡眠の質改善に効果が期待できるというメカニズムです。
腸を刺激すると便秘の解消も期待できるので、寝る前のピラティスは健康な身体づくりもサポートしてくれるでしょう。
血流がスムーズになり副交感神経が整うから
寝る前にピラティスで身体を動かすと、血流がスムーズになるため副交感神経を整えるのに効果的です。
副交感神経はリラックス効果や眠気を促す働きがあり、寝る前に整えることで良質な睡眠に繋がります。
対して交感神経はストレス時や活動時に高まるため、日中に働きが強まるのが特徴です。
寝る前にいかにして副交感神経の働きを上げられるかで、睡眠の質が決まると言っても過言ではありません。
しかしデジタル社会の現代はスマートフォンの使用で、常に脳が興奮状態であることが多く交感神経の働きが強まる傾向にあります。
寝る前にピラティスを行い、血流を促進させ副交感神経の働きを高めていきましょう。
寝る前のピラティスにおすすめエクササイズ4選【やり方を解説】
寝る前に行うピラティスで、おすすめのエクササイズは以下の4つです。
各ピラティスの詳しいやり方を順に解説するので、ぜひ試してみてください。
ペルビックカール
ペルビックカールは仰向けが基本姿勢で、骨盤・腰・背中などを持ち上げるエクササイズです。
- 仰向けになり腰の幅に両足を開き膝を立てる
- 床と骨盤を並行にし、両手は床におく
- 息を吐きながら背中を床から離す
※骨盤→腰→背中の順番で離し、肩から膝までは一直線になるように - 息を吐きながら離した順番と逆の部位から戻す
- 1~4を繰り返します
ペルビックカールで期待できる効果は以下の通り。
- 姿勢の改善
- 腰痛・骨盤の改善
- ヒップアップ
- 自律神経のバランス調整
熟睡したいときにおすすめのエクササイズなので、寝る前にぜひ挑戦してみてください。
チェストリフト
チェストリフトは、仰向けに寝た状態でお腹を締め上体を起こす、腹筋に似たエクササイズです。
- 仰向けになり両手で後頭部を支え両ひざをたてる
- 息を吐きながらお腹をひっこめる
※お腹が出てしまうと効果ないため、ひっこめる - 肩甲骨の下部まで頭から背骨を伸ばしながら上体を少し上げる
- 息を吸いながら2の位置に戻す
- 1~4を繰り返し行う
チェストリフトで期待できる効果は以下の通り。
- ウエストのくびれができる
- お腹全体が引き締まる
- 歪んだ身体を改善
- メンタルを落ち着かせる
ポッコリ出ているお腹を引き締めたいと思う人におすすめのエクササイズなので、ぜひ継続して行ってみてください。
スイミング
スイミングは文字通り泳いでいるような動作で、うつ伏せの状態で行うエクササイズです。
- うつ伏せになり両手と両足を伸ばす
- 右腕と左足をゆっくりと上げていく(左右逆の手と足)
- 2と逆の手と足も同様に行う
- 左右交互にゆっくり繰り返す
スイミングで得られる効果は以下の通り。
- 背中・お尻・太もものシェイプアップ
- 姿勢の改善
- 集中力の向上
両手と両足をバラバラに動かすので、脳が働き集中力も高まります。
慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、継続して行うことで慣れていきましょう。
アームオープン
アームオープンは仰向けの状態を基本姿勢とし、両腕を大きく動かすエクササイズです。
- 仰向けになり両ひざを立てる
- 肩甲骨を床につけたまま、肩幅に広げた両手を天井へ向けて上げる
※手のひらは内側を向ける - 息を吸いながら両腕を頭の上にもっていく
- 息を吐きながら両腕を左右から大きく体の横まで戻す
※手のひらは天井へ向ける - 1~4を繰り返す
アームオープンにより期待できる効果は以下の通り。
- 肩甲骨の安定
- 腕の可動域の向上
身体と足はほとんど動かさず両腕のみを動かすエクササイズのため、寝る前に軽く身体を動かしたいときなどにおすすめです。
寝る前にピラティスを行う注意点2つ
ここでは、寝る前にピラティスを行う際の注意点を2つ解説します。
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寝る前にピラティスをしようと考えている方は、しっかり確認しておきましょう。
激しい動きはしない
ピラティスを寝る前に行う場合は、動きの激しいエクササイズは避けましょう。
寝る前に激しい動きのピラティスを行うと、交感神経が刺激により活性化されてしまい逆に眠れなくなる可能性があるためです。
激しい動きのピラティスは朝に行うのが効果的であり、寝る前はリラックス効果のあるピラティスをおすすめします。
本記事でも紹介している様な軽い動きで行えるエクササイズを参考に、副交感神経の働きを上げて良質な睡眠を促しましょう。
食事後すぐには行わない
寝る前にピラティスを行う際は、消化不良を避けるためにも食後すぐには行わないようにしましょう。
食事してすぐは胃の中に食べたものが残っているため、激しい動きをすると消化不良や腹痛の原因となります。
胃の中に滞在している食べ物が消化するまでにかかる時間は、だいたい平均して2~3時間ほどです。
食べたものや量によって消化にかかる時間は異なりますが、ピラティスを行う際は食事から2時間以上の間隔を空けるのがおすすめです。
睡眠中は胃の機能が低下している状態になるので、消化不良による睡眠の質低下だけでなく肥満の原因にもなります。
寝る前にピラティスをする場合は、食事時間から寝る時間までを考えたうえで行ってください。
寝る前だけじゃない!ピラティスの効果
ピラティスは睡眠の質を上げる以外にも、以下3つの効果が期待できます。
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ピラティスは朝や日中に行っても効果が得られるので、スキマ時間や自分のタイミングで行えるのもメリットです。
以降で詳しく解説するので、寝る前以外でも余裕があるときは取り入れてみましょう。
▼ピラティスをより効果的にする時間について知りたい人はこちら
ピラティスは一回何時間やるの?毎日できるメニューやいつやるのかが効果的かも紹介
柔軟性と筋力が向上し正しい姿勢と身体の使い方が身につく
ピラティスを習慣化することで、柔軟性と筋力が上がり正しい姿勢が身につきます。
さらにピラティスの動きは正しい身体の動かし方を習得できるので、日常生活で疲れにくくなるのもメリットです。
姿勢が悪いと見た目が悪いだけでなく、身体のバランス不良や腰痛などさまざまな身体トラブルの原因にもなります。
さらに背骨が常に丸まった状態の猫背は腹部の圧迫にもつながり、便秘や腸炎を引き起こす可能性も。
ピラティスは体の深層部にあるインナーマッスル(体幹)が鍛えられるため、女性らしく美しい姿勢を手に入れたい方にもおすすめです。
代謝が上がり痩せやすい身体になる
ピラティスは代謝機能が上がるため痩せやすい身体づくりにも有効的であり、習慣化することでダイエット効果が期待できます。
本来、ピラティスは体幹を鍛えることが主軸のエクササイズです。
体幹が鍛えられると以下の効果が得られるため、代謝アップも見込めます。
- 姿勢の改善
- 骨や内臓の位置矯正
- 筋肉量の増加
代謝機能が上がることでカロリー消費がスムーズに行われるため、痩せやすい身体も目指せるでしょう。
マインドフルネス効果で気持ちが前向きになる
ピラティスは精神面にも良い影響を与えてくれるので、エクササイズ後は前向きな気持ちに切り替えやすくなります。
理由は、ピラティスには今この瞬間だけに集中するという意味の「マインドフルネス効果」があるためです。
マインドフルネストレーニングをすることで、ストレスやうつ病の軽減といった結果が報告されています。
参照:集団マインドフルネス瞑想訓練のストレス低減効果
ピラティスに集中することでマインドフルネスが強化され、脳の活性化やストレスに強い精神状態になります。
1日のパフォーマンス向上にも繋がるため、時間に余裕があるときは朝にピラティスを行うのもおすすめです。
寝る前のピラティスに関するQ&A
ここでは寝る前に行うピラティスについて、よくある質問に回答します。
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Q1:ベッドの上でもできる?
Q2:ダイエット効果はある?
Q3:毎日やらないほうがいい?
Q4:一日30分でも効果はある?
Q5:寝る前の筋トレはダメなの?
これからピラティスを始めようと考えている方は、ぜひ疑問点や悩みの解決に役立ててください。
Q1:ベッドの上でもできる?
ピラティスは仰向けの状態から手足や上半身を動かすエクササイズが基本となるため、ベッドや布団の上でもできます。
寝る前や朝起きてすぐなど、寝ている状態からそのまま行えるのもピラティスの魅力といえるでしょう。
自律神経のバランスを整えるペルビックカールを寝る前に、腹筋群を起動させ代謝を上げるチェストリフトを起床時に行うのもおすすめです
どちらも激しい動きはなく、ベッドで手軽に行えるのでぜひ試してみてください。
Q2:ダイエット効果はある?
ピラティスを行うことでインナーマッスルの強化や血流改善効果があるため、代謝が上がり痩せやすい身体づくりが可能です。
とはいえピラティスだけで劇的なダイエット効果を得るのは難しく、効果を実感するまで一定期間の継続が必要になります。
短期間で大きなダイエット効果を求める方は、並行してジムトレーニングも行うのがおすすめです。
尚、体系維持におすすめのピラティスエクササイズはスイミングで、背中を反り足をバタつかせるため背中・ヒップ・太ももの引き締め効果が期待できます。
さらに寝る前にピラティスを行えば、1日のむくみも取れる相乗効果が期待できるのでぜひ試してみてください。
Q3:毎日やらないほうがいい?
寝る前のピラティスは、できるだけ毎日行う方が高い効果を期待できます。
とはいえ時間がない方は無理して毎日行う必要はなく、週1~2回でも長期的に継続して行うことが大切です。
自宅で毎日行えない方は、週1~2回ピラティススタジオに通うのもおすすめ。
インストラクターによる指導により正しいフォームが身につくため、少ない回数でも効果を得られやすいメリットがあります。
「一人ではなかなか続けられない」という方は、ピラティススタジオの利用もぜひ検討してみてください。
Q4:一日30分でも効果はある?
寝る前に30分だけピラティスを行うだけでも、効果は期待できます。
ピラティスは呼吸をしながら身体を動かす有酸素運動のため、ジョギングやウォーキングなどの運動と同様に継続的に行うことが重要です。
ピラティスにおいても、まずは30分毎日習慣を身につけましょう。
Q5:寝る前の筋トレはダメなの?
寝る前に筋トレをすると、副交感神経の働きが弱まり睡眠の質が落ちるためあまりおすすめできません。
寝る前しか筋トレをする時間がないという方は、動きの緩やかなピラティスでのエクササイズがおすすめです。
ただし寝る直前のピラティスも交感神経の働きを強めてしまう恐れがあるため、行う場合は就寝1時間前くらいを目安にすると良いでしょう。
寝る前のピラティスでリラックスして睡眠の質を上げよう
寝る前にピラティスを行うとリラックス効果を得られるため、睡眠の質改善が期待できます。
不眠症で悩んでいる方や睡眠の質を上げたい方は、寝る前のピラティスがおすすめです。
まずは自宅で簡単にできるエクササイズから始め、慣れてきたらピラティススタジオに通ってみるのも良いでしょう。
夜遅くまで営業しているスタジオもあるため、仕事帰りに気軽に通えます。
初心者には専用マシンで姿勢や身体の動きをサポートしながらトレーニングができる、「マシンピラティス」もおすすめ。
自重のみでトレーニングするマットピラティスとは異なり、バネや滑車の力を用いて行うため安定性があります。
さらにインストラクターにしっかりサポートしてもらえるので、「筋力に自信がない」という方も気軽に始められるでしょう。
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