マタニティピラティスの効果と禁忌は?妊娠中の悩み解決におすすめなエクササイズを紹介

マタニティピラティスの効果と禁忌は?妊娠中の悩み解決におすすめなエクササイズを紹介

「妊娠中にピラティスをやってもいいの?」
「マタニティピラティスの禁忌は?」

妊娠中の健康や体型維持を目的にマタニティピラティスを検討している人もいらっしゃるでしょう。

マタニティピラティスの効果・メリットは以下の通りです。

  • 過剰な体重増加を抑える
  • 腰痛・体のだるさ改善
  • 出産~産後の骨盤サポート
  • メンタル面のケア
  • 強度や動きの調整が可能
  • 運動初心者でも始めやすい

本記事では、妊娠中のピラティスにおける注意点やエクササイズの例を分かりやすく解説します。

妊娠中の悩みを解消して、心身ともに健康なマタニティライフを楽しみたいと考えている人はぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
蓮見 恵莉

蓮見 恵莉
(the SILKインストラクター)

【保有資格】
PSGA JAPANコンプリヘンシブ マスターインストラクター
IBMA認定ピラティスベーシック
IBMA認定ヨガベーシック
・コラーゲンスタジオ協会認定 マスターインストラクター
・アスリートフードマイスター初級
・美肌食マイスター初級

【その他】
・グループリフォーマープログラム監修

【プロフィール/経歴】
the SILKの在籍インストラクター。
23歳で出産の後、フィットネスクラブでインストラクターの活動をはじめる。
ヨガ、ピラティス、ストレッチ、セルフマッサージクラスなどの指導をして10年。
現在はフリーのインストラクターとしてスタジオレッスン、パーソナルトレーニングの指導をメインに、PSGA JAPAN等の養成講師も務める。

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▶「そもそもピラティスとは?

目次

妊娠中にピラティスをしてよいのか?

妊娠中に行ってもいい動きをふまえた、マタニティ向けのピラティスであれば実施が可能です。

米国産科婦人科学会では、合併症のない妊娠をしている女性であれば妊娠中に有酸素運動や筋力調整運動を行うことが奨励されるとしています。

妊娠中に推奨されている運動は以下の通りです。

  • ウォーキング
  • 静止サイクリング
  • 有酸素運動
  • ダンシング
  • 抵抗運動(重りやゴムバンドの使用など)
  • ストレッチ体操
引用:米国産科婦人科学会(ACOG)

ピラティスは呼吸にあわせて身体をゆっくりと動かす有酸素運動なので、激しい動きができない妊娠中の運動にうってつけと言えます。

ゆったりとした動きでインナーマッスルを鍛えて骨格のバランスを整えることで、スムーズなお産をサポートできるのが魅力。

一方でお腹を圧迫する動きやバランスを崩しやすく転倒の危険があるエクササイズは好ましくありません。

自己流で行うよりも、プロのもとでマタニティ向けのピラティスプログラムを受ける方が安全に楽しめるでしょう。

実施には必ず医師の許可が必要

マタニティピラティスを行う前に、必ず医師の許可を仰ぎましょう

合併症がある場合は運動の種類・強度が制限されたり、運動自体が禁忌となる場合もあるため注意が必要です。

1.母児の条件
1)現在の妊娠が正常で、かつ既往の妊娠に早産や反復する流産がないこと。
2)単胎妊娠で胎児の発育に異常が認められないこと。
3)妊娠成立後にスポーツを開始する場合は、原則として妊娠 12 週以降で、妊娠経過に異常がないこと。
4)スポーツの終了時期は、十分なメディカルチェックのもとで特別な異常が認められない場合には、特に
制限しない。

引用:産婦人科部会-妊婦スポーツの安全管理基準

妊娠中の身体は日々変化しているため、少しでも気になることがあればすぐに医師に相談してください。

また医師の許可が出たとしても、独学で行わずプロの指導の下でエクササイズを行う方がリスク軽減となりより安心です。

いつからいつまでできる?頻度は?

マタニティピラティスは医学的・産科的合併症がない妊婦であれば、妊娠16週目以降から出産直前まで行えます。

自然流産のほとんどが妊娠12週未満に発生しており、リスクがほとんどなくなるのが妊娠16週目以降と言われているためです。

週に3~7回約30~60分間の有酸素運動を行ったところ、早産の発生率の減少に繋がったとの研究結果も報告されています。
参照:米国産科婦人科学会(ACOG)

ただし先述した通り妊娠中の身体は常に変化しているため、必ず妊婦検診などで定期的に主治医の指示を仰いで実施しましょう。

マタニティピラティスの効果・おすすめな理由7つ【口コミ有】

マタニティピラティスの効果と、妊娠中の運動としておすすめする理由7つを解説します。

妊娠中の悩みを解消する方法を探している人は、ぜひ参考にしてください。

過剰な体重の増加を抑える

マタニティピラティスはインナーマッスルを鍛えることで基礎代謝が上がるため、過剰な体重増加を抑える効果が期待できます。

赤ちゃんの成長により妊娠週数を追うごとに体重が増加し、動きづらさから運動不足に繋がりさらに体重が増加しやすくなる傾向です。

ただし太り過ぎは母体にも赤ちゃんにも良いことではありません。

妊婦の適性体重増加の目安は、標準体型の人で10~13kgと言われています。
参考:日本産科婦人科学会

とはいえ今まで運動習慣のなかった人が、急に運動の消費カロリーだけで過度なダイエットをするのはリスクがあるでしょう。

妊娠中の体重管理はあくまでバランスのいい食事・適度な運動を基本に、医師の許可を得てから行ってみてください。

腰痛・身体のだるさが楽になる

マタニティピラティスで体の外側ではなく内側(インナー)の筋肉を鍛えることは、腰痛や体重増加による身体のだるさ解消にも効果的です。

妊娠後期に近づくにつれお腹が大きく張り出してくるため、骨や筋肉に負担がかかり体のバランスが崩れやすくなります。

さらに妊娠中はリラキシンというホルモンの影響で骨盤が緩みやすくなるため、インナーマッスルを鍛えて身体を支えるのが重要です。

出産・産後の骨盤周りをサポートできる

マタニティピラティスで以下の筋肉を鍛えることで、スムーズな出産と産後の身体の戻りをサポートできます。

  • 骨盤底筋
  • 腹横筋
  • 多裂筋
  • 横隔膜

特に「腹横筋」は出産時に赤ちゃんを押し出すのに使う筋肉で、「骨盤底筋」は鍛えることで産後の尿漏れ改善に効果的です。

さらに分娩時には股を大きく開くポジションを取るため、関節の柔軟性も求められます。

ピラティスは硬くなった筋肉をほぐして柔軟性をアップし、ストレッチ効果も期待できるのでよりスムーズな出産をしたい人におすすめです。

尿もれの悩みを軽減できる

マタニティピラティスには「骨盤底筋」を鍛えるエクササイズもあり、妊娠中から産後の尿漏れの悩みを軽減できます。
参考:尿失禁のある女性の生活の質に対する骨盤底筋トレーニングの影響

骨盤底筋とは骨盤の底にある複数の筋肉の集合体で、子宮や膀胱・直腸といった骨盤内にある臓器を支える役割を持つ筋肉です。

妊娠中に分泌される黄体ホルモンの影響や子宮の圧迫により骨盤底筋群が伸びて緩みやすくなるため、尿漏れに悩まされる人もいます。

マタニティピラティスのゆったりとした呼吸と動きで、無理なく骨盤底筋を鍛えてあげましょう。

自律神経を整えることでメンタルケアが期待できる

ピラティスは以下の特徴から自律神経を整える効果が期待できます。

  • 背骨の柔軟性をアップする
  • 内臓を正しい位置に戻す
  • 呼吸を深くする
  • 血流をよくする

自律神経の乱れはストレスや不安・不眠といった症状を引き起こすため、しっかり整えてあげることが重要です。

妊娠中・出産後はメンタルが不安定になりがちで、出産後の女性の30-50%がマタニティブルーを経験すると言われています。
参考:公益社団法人日本産婦人科医会

妊娠期間中の精神的な負担を軽くするためにも、リラックスできる時間を作ることが大切です。

今の自分の状態に合わせてカスタマイズできる

自分の身体の状態に合わせて無理のないエクササイズをカスタマイズできるのが、マタニティピラティスのメリットです。

ピラティスの創設者、ジョセフ・H・ピラティス氏が考案した34のエクササイズに、現在は様々なアレンジが加えられバリエーションは無限大にあります

目的に合わせて、両手・両足・片手・片足・椅子に座る・小物を使うといった、強度や動きの調整が可能です。

マタニティ向けのピラティスであれば、常に変化する妊娠中の身体に合わせて無理なく安全にエクササイズを楽しめるでしょう。

スポーツ初心者でも無理なく始められる

マタニティピラティスは呼吸しながらゆっくり関節を動かすエクササイズなので、妊娠前から運動習慣がない人でも無理なく始められます。

ピラティスは元々リハビリを目的として考案されており、身体に負担をかけすぎずに筋肉をつけられるエクササイズです。

ピラティスにはマットの上で行うエクササイズ以外にも、リフォーマーという専用のマシンを使用したマシンピラティスがあります。

マシンで体を安定させるため筋力が少ない人でも全身をバランスよく鍛えることができ、負荷を自由に変えられるのがメリットです。

【妊娠時期別】おすすめのマタニティピラティス

妊娠時期別におすすめのマタニティピラティスをご紹介します。

妊婦は身体の変化が多いため、自身の妊娠周期に合わせてより効果的なエクササイズを理解し行いましょう。

妊娠初期|正しい姿勢と呼吸方法を身につける

妊娠初期は、ピラティスの基本となる「呼吸法」と「正しい姿勢」を身に着けるのがおすすめ。

妊娠超初期などはホルモンの変化による疲労やつわりの症状が現れる時期であり、筋トレやエクササイズは負担が大きい可能性があるためです。

【正しい姿勢とは】

骨盤をしっかりと起こし、お腹は突き出さず「耳・肩・腰・膝・くるぶし」が一直線になるようにします。

猫背や反り腰、首が前に出ているといった姿勢は、妊娠中から産後の腰痛を引き起こす原因に。

正しい姿勢を身につけて、妊娠中の身体への負担を軽くしましょう。

【ピラティスの呼吸法とは】

ピラティスの呼吸法は「胸式呼吸」で、お腹をへこませたまま肋骨を広げて肺を膨らませる呼吸法です。

横隔膜を意識して鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出すことを意識してみてください。

マタニティ専用のプログラムが組まれたピラティスであっても、妊娠16週を過ぎるまでは避けた方が良いと言われています。

妊娠期が進んで身体が重くなると息切れやバランス崩れを起こしやすくなるため、妊娠初期から「正しい姿勢と呼吸方法」を身につけておきましょう。

妊娠中期|インナーマッスルを鍛える

いわゆる「安定期」と言われる妊娠16週の中期から、マタニティピラティスを始めることが可能です。

大きくなっていくお腹を支えるためにもインナーマッスルをしっかり鍛えてあげましょう。

お腹や内もものインナーマッスルを鍛えられるおすすめのエクササイズは、ニーリフトです。

マタニティピラティス ニーリフトの画像

【ニーリフトのやり方】

  1. 椅子に浅めに腰掛け、足を肩幅に開く
    ※座面を両手で軽く押すように掴むと安定します
  2. 息を吐きながらゆっくり右脚を持ち上げる
    ※膝を天井方向へまっすぐ持ち上げます
  3. 息を吸って元に戻し、反対も行います

へそを上げるように意識して、骨盤が前後左右にブレないよう上半身は固定します。

股関節の血流をよくして股関節痛をやわらげる効果が期待できるので、ぜひ取り入れてみてください。

尚、独学で色々なエクササイズを行うのはリスクもあるため、プロの指導の下でピラティスを始めるのがおすすめです。

妊娠後期|骨盤の位置を調整する

妊娠後期は腰が反り返り腰痛が起こりやすくなるため、正しい姿勢を保つための筋力を鍛えましょう。

この時期はお腹も大きく張り出してくるため、緩やかな動きのエクササイズがおすすめです。

座ったままで骨盤の位置を調整できるエクササイズ、ペルヴィックチルトをご紹介します。

マタニティピラティス ペルヴィックチルトの画像

【ペルヴィックチルトのやり方】

  1. 椅子にしっかりと座り、お腹が潰れないように足は肩幅程度に開く
  2. おへその位置を上に向ける意識をしながら骨盤を後ろに倒す
    ※目線はおへそを覗き込むようにして、背中はややまるまった状態
  3. 数秒キープした後、元の姿勢に戻る

息を吐きながら骨盤を倒し、息を吸いながら元の姿勢に戻すのがポイントです。

現役インストラクター

元の姿勢に戻ったときに腰を反らないように気をつけましょう!

ゆっくり深い呼吸を意識して、5回を目安に体調を見ながら行ってみてくだし。

マタニティピラティスの禁忌|やってはいけないポーズは?

マタニティピラティスの禁忌・注意点の画像

ここからはマタニティピラティスの禁忌(妊娠中に避けるべき動き)について解説します。

妊娠中は安全のためマタニティ向けのプログラムを選択し、主治医と相談してから始めるようにしましょう。

転倒の危険・腹部への圧迫のある運動は避ける

妊娠中は、以下の様な「転倒の危険・腹部への圧迫」がある動きは避けましょう。

  • うつ伏せ
  • 仰向け
  • 強いツイスト
  • 片足立ち
  • 逆転ポーズ

妊娠後期に近づくとお腹が大きくなるため、バランスを崩しやすく転倒の危険があります。

また、お腹を押すような動きは子宮や赤ちゃんに負荷をかけてしまう危険があるため注意が必要です。

上記の例に含まれていなくとも、行ってよいか不安があるエクササイズは念のため医師へ相談するのがよいでしょう。

骨盤がゆるい時期に過剰なストレッチをしない

妊娠中の過剰なストレッチは腰痛に繋がるためおすすめできません。

妊娠中の身体は出産の準備を始めるため、リラキシンというホルモンが靭帯を柔らかくし骨盤を緩めます。

ストレッチで筋肉を伸ばし過ぎてしまうと、ゆるくなった骨盤を支えることができなくなり腰痛の原因に。

特に靭帯につながる内転筋・ハムストリングスは伸ばしすぎないように注意しましょう。

緩くなった靭帯を支えるためには、インナーマッスルを強化するのがおすすめです。

出血や腹部の痛みなどがある際にはエクササイズしない

運動中に以下の様な症状が見られた場合は、すぐに運動を中止しましょう。

  • 性器出血
  • 腹痛
  • 定期的な痛みを伴う陣痛
  • 羊水漏れ
  • 運動前の呼吸困難
  • めまい
  • 頭痛
  • 胸痛
  • バランスに影響を与える筋力低下
  • ふくらはぎの痛みや腫れ
引用:米国産科婦人科学会(ACOG)

気になる症状があった際は無理をせず、必ず医師に相談することが大切です。

マタニティピラティスに関するQ&A

マタニティピラティスに関するよくある質問を以下にまとめました。

妊娠中の運動としてピラティスを検討している人は、ぜひ参考にしてください。

Q1:ピラティスとヨガの違いは?妊娠中はどちらがおすすめ?

ピラティスとヨガの違いを以下にまとめました。

違いピラティスヨガ
目的体幹の強化
姿勢改善
心身の安定
柔軟性の向上
特徴動き(ムーブメント)がベースポーズと静止がベース
呼吸法肺式呼吸腹式呼吸
成り立ちリハビリを目的として開発された精神の修行法として生まれた

ピラティスは主に体幹の強化や姿勢改善を目的としているのに対し、ヨガは瞑想による心身の安定が目的とされています。

とはいえピラティスも「動く瞑想」とも呼ばれており、エクササイズに集中することで気持ちが前向きになる効果も。

自分が心と身体どちらに重点を置きたいかで選ぶと良いでしょう。

Q2:マタニティピラティスの資格はどうやって取るの?

マタニティピラティスの資格を取るには、通信講座や養成スクールで学ぶ方法があります。

主に妊娠期に起こる変化やトラブルを理解し、それに対応する方法を学ぶことが目的です。

妊娠期~産後をより快適に過ごすために学ぶのはもちろん、妊娠期の女性をサポートしたいという人は資格を取っておくと良いでしょう。

ピラティスで精神面・肉体面の負担を軽くして、マタニティライフを楽しもう!

マタニティピラティスはインナーマッスルを鍛えることで、腰痛や尿漏れといった妊娠中の悩みを解消する効果が期待できます。

さらに自律神経を整え、自分と向き合う時間を作ることで気持ちが前向きになるなどメンタル面のメリットも。

マタニティ専用のプログラムであれば、資格をもつインストラクターが妊娠中の身体に無理のない動きを指導してくれます。

無理なく行えるマタニティピラティスで妊娠中の悩みや不安を解消し、マタニティライフを楽しみましょう!

女性専用「マシンピラティス」スタジオ【the SILK】

ピラティスが向いているか確かめたい人は、通常3,850円(税込)の体験レッスンが無料になるキャンペーンを実施しているthe SILKを気軽に試してみましょう。

他にも以下のようなキャンペーンを行っているので、初期費用を抑えてピラティスを始めたい人にもおすすめです。

  • 入会金10,000円 ⇒ 0円
  • 登録手数料1,000円 ⇒ 0円
  • 初月会費が半額
    ※対象外の店舗あり
  • 手ぶら体験セットが0円
    ↳レンタルウェア/靴下/タオル

the SILKでは、専用マシン「リフォーマー」を使って音楽に合わせて身体を動かすので、初心者でも楽しくトレーニングが可能です。

体験レッスン時にカウンセリングも受けられるので、利用方法やおすすめのレッスンなどの疑問を解消してから入会を検討できます。

妊娠中の方はグループレッスンはお受けできませんが、プライベートレッスンであればお受けできる場合がございます。
※必ずかかりつけ医にご相談のうえ、スタッフにご相談ください。
※プライベートレッスンは一部店舗のみになります。

ぜひ気軽に無料体験をして、ピラティスが向いているか確かめてみてください。

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