有酸素運動と無酸素運動の違いは?異なるトレーニング効果や診断チャートも

有酸素運動と無酸素運動の違いは?異なるトレーニング効果や診断チャートも
目次

有酸素運動と無酸素運動の基本的な違い

有酸素運動と無酸素運動は、下記のようにそれぞれ異なる特徴と効果を持っています。

項目 有酸素運動 無酸素運動
定義 長時間持続できる
中強度(※)の運動 短時間で
高強度(※)の運動
エネルギー源 主に脂質 主にグリコーゲン
(糖質)
効果
メリット
・心肺機能の向上
・脂肪燃焼
・持久力の向上
・生活習慣病予防
・筋肉量増加
・向上
・基礎代謝向上
(※)運動強度について
有酸素運動とは酸素を利用してエネルギーを生成し、長時間継続できる運動を指します。

体重管理やストレス軽減・生活習慣病予防に効果が期待できますが、関節への負担や効果・見た目に変化が出るまでに時間がかかるデメリットも。

一方の無酸素運動は酸素を使わずにエネルギーを生成し、短時間で高強度の運動を行うことを指します。

筋肉量がアップすることで基礎代謝が向上するメリットがありますが、ダンベルのように重い器具を使用する機会が多く怪我のリスクも高めです。

運動を始める前に、両方の効果やメリット・デメリットを理解しておきましょう。

有酸素運動と無酸素運動どっちが痩せる?

有酸素運動と無酸素運動のどちらが痩せるのかを、一概に判断することはできません。

ダイエットを達成するためには、下記のように目的に応じて両方を適切に使い分けることが重要です。

脂肪燃焼させたい場合 有酸素運動
痩せやすい
体作りをしたい場合 無酸素運動
有酸素運動は主に脂肪を燃焼させるため、20分以上継続することで脂肪の分解が活発化しカロリー消費も増加します。

一方の筋肉は脂肪と比べて安静時でもより多くのエネルギーを消費するため、筋肉量が増えると基礎代謝がアップ。

結果的に24時間通じてより多くのカロリーを消費しやすい体質になるでしょう。

どちらの効果も得たい人は両方行うと良いですが、運動の順番には注意が必要です。

一般的には無酸素運動を先に、その後有酸素運動を実施することが推奨されています。

この順序で運動すると、筋肉に蓄えられたグリコーゲンが枯渇し次に脂肪をエネルギー源として利用し始めるのです。

これにより脂肪が効率的に燃焼され、体脂肪の減少の促進が期待できます。

効果を期待するには、有酸素・無酸素どちらも継続することが重要です。

無理のない範囲で定期的に運動を行い、徐々に強度や時間を増やしながら、変化を目指しましょう。

無酸素性エネルギー供給系と有酸素性エネルギー供給系

有酸素運動と無酸素運動の違いを理解するには、その背景にある「エネルギー供給の仕組み」を知ることが大切です。ここからは、無酸素性エネルギー供給系と有酸素性エネルギー供給系について解説します。

無酸素性エネルギー供給系

無酸素性エネルギー供給系とは、運動時に筋肉が必要とするエネルギー源である「ATP」を、酸素を使わずに生み出す仕組みのことです。

無酸素性エネルギー供給系には、クレアチンリン酸を分解してエネルギーを生み出す「ATP-CP系」と、糖を分解してエネルギーを生み出す「解糖系」があります。

【ATP-CP系】
ATP-CP系は、もっとも迅速にエネルギーを供給できる系統です。この系では、ATPが分解された際に生成されるADP(アデノシン二リン酸)と、筋肉内に貯蔵されているクレアチンリン酸を利用してATPを再合成します。

この系の特徴は、酸素を必要とせず、瞬間的に最大出力を発揮できることです。しかし、筋肉内に貯蔵されているクレアチンリン酸の量は極めて限られているため、ATP-CP系単独で運動を継続できる時間は約10秒程度と短く、短距離走やジャンプなど、瞬発的に最大筋力を発揮する運動に適しています。

【解糖系】
解糖系は、筋肉に貯蔵されている糖(グリコーゲン)をピルビン酸に分解し、酸素を使わずにATPを産生する経路です。この過程では、ピルビン酸から乳酸が生成されます。しかし、糖質の無酸素的な分解過程で乳酸が蓄積しやすく、これが筋肉の疲労を招く主要な要因となります。

この系統は30秒から2分程度の中~高強度の運動で主に使われ、400m走や短時間の筋力トレーニングなどの運動に適しています。

有酸素性エネルギー供給系

有酸素性エネルギー供給系は、酸素を使って糖質や脂質を分解し、効率的にATP(エネルギー)をつくる仕組みです。糖質からできるピルビン酸や、脂肪からできる遊離脂肪酸が細胞内のミトコンドリアに取り込まれ、クエン酸回路や電子伝達系を経て酸素と結合することでATPを生み出します。

この仕組みは長時間にわたりエネルギーを供給できるのが特徴で、マラソンやウォーキングといった持久力を必要とする運動で活躍します。ただし、経路が複雑なためエネルギーを作るまでに時間がかかるという弱点もあります。

有酸素系の効率を高めるには、ミトコンドリアの容量や毛細血管の量を増やすことが重要です。ランニングやウォーキングなどの有酸素運動は、これらを増やす効果があります。

有酸素運動・無酸素運動の代表的な運動は?

有酸素運動と無酸素運動には、それぞれトレーニングがあります。

※タップして詳細ページにスクロールします。

これらの運動は体に異なる効果をもたらし、それぞれの目的に応じて選択することが大切です。

また運動の始めやすさも種目によって変わるため、合わせてチェックしてみてください。

有酸素運動

有酸素運動の代表例として、下記の運動が挙げられます。

脂肪を減らしたい人に◎

運動 内容 手軽さ
ジョギング 一定のペースで
走る運動 ◎
ウォーキング ゆっくりとした
ペースで歩く運動 ◎
ピラティス 呼吸法とポーズを
組み合わせた
エクササイズ ◎
ヨガ マットや器具を使って
行うエクササイズ ○
水泳 水中での泳ぎや歩行 △
有酸素運動は運動中に酸素を十分に取り込みながら、ゆっくりとしたペースで体を動かすものが多いです。

一般的に、20分以上継続することで効果が期待できます。

心拍数を適度に上げて呼吸を整えながら、長時間持続できる強度で実施するのがおすすめ。

なかでもジョギングやウォーキングは、特別な道具を必要とせず手軽に行えるため人気があります。

「その場ウォーキング(足踏み)」のように室内でも体を動かせて、天候・場所を選ばないところも魅力です。

またピラティスは柔軟性や体幹の強化に加え、心身のリラックス効果も期待できるため、デスクワークが多く忙しい人にも◎

どの運動も急激に動くと体に負担をかける可能性があるため、まずは軽い運動から始め、徐々に強度を上げていくことが重要です。

無酸素運動

短時間で高強度の運動ができる無酸素運動の、代表的な運動は下記の通りです。

筋肉をつけたい人に◎

運動 内容 手軽さ
短距離走
100m走や200m走などの短い距離を全力で走る運動 ◎

筋力トレーニング
自重や器具を使って筋肉に負荷をかける運動 〇

ウエイトリフティング
[スナッチ]
バーベルを一気に頭上まで挙げる動作
[クリーン&ジャーク]
バーベルを一度肩まで挙げてから頭上に押し上げる動作 ✕
筋力トレーニングは自重やマシン・フリーウエイト(※)などを用いて筋肉に負荷をかけるトレーニング。
※ダンベル・バーベルなどの器具

筋肉の量や質を向上させる、主に下記のような動きが挙げられます。

  • 腕立て伏せ
  • スクワット
  • 腹筋

1日5分程度から行えるため、忙しい日常生活でも取り入れやすいところが魅力です。

自宅で簡単にできる筋トレメニューも多く、継続的に行えるので筋肉量の増加や基礎代謝の向上も期待できます。

一方で正しいフォームで行わないと、怪我のリスクもあるため注意が必要です。

また適切な休息を取ることも大切で、筋肉の回復と成長を促すために、運動と休息のバランスを取ることが推奨されています。

有酸素運動と同様、急激な負荷は体に大きなストレスを与える可能性があるため、段階的に強度を上げていきましょう。

有酸素・無酸素アナタにはどっちが合っている?診断チャート付き

有酸素運動と無酸素運動どちらが自分に向いているか分からない人や悩んでいる人は、下記の診断チャートを活用してみてください。

個人の目的や体力レベル・好みによって選択は変わってきますが、どちらか一方に偏るのではなく、両方をバランスよく取り入れることが理想的です。

有酸素運動で脂肪燃焼させつつ無酸素運動で筋力を強化することで、より高い効果が期待できるでしょう。

有酸素性身体活動と筋トレの両方を組み合せて実施することで、さらなる健康増進効果が期待できると考えられます。

引用:厚生労働省
例えば週に3回の有酸素運動と2回の無酸素運動を組み合わせるなど、自分のライフスタイルに合わせて調整するのも◎

有酸素運動と無酸素運動のバランスを取りながら、自分に合った運動プログラムを見つけてください。

こうした運動習慣は、姿勢や体の不調の改善にもつながります。

株式会社NEXERとthe SILK(ザ シルク)による調査では、77.6%の方が自分の姿勢が悪いと感じた経験があり、74.2%が姿勢の悪さが生活や健康に支障をきたしていると感じていることが分かりました。

しかし、姿勢改善のために積極的に取り組んでいる方は32.0%にとどまっており、そのうち59.7%がストレッチやヨガを選択しています。しかし、ストレッチやヨガに取り組んでいる方からは「効果が出ているかわからない」「気づくと猫背に戻ってしまう」という声も多く、思ったより効果を実感できない場合があります。

一方で、ピラティスに取り組んでいる方からは、姿勢改善や肩こりなどの不調改善の効果を実感する声が多く寄せられています。

調査データ引用元:記事公開後、該当URLをご記載ください。

有酸素運動と無酸素運動の違いを理解しバランスよく組み合わせよう!

有酸素運動と無酸素運動は、それぞれ異なる特徴と効果を持つ運動方法です。

有酸素運動は長時間持続的に行う低〜中強度の運動で、心肺機能の向上・脂肪燃焼に効果が期待できます。

一方無酸素運動は短時間で高強度の運動を行い、筋力向上を目指せるトレーニング。

どちらか一方だけでなく自分の目的・体力レベルに合わせて、バランスよく両方の運動を取り入れることが大切です。

有酸素運動で持久力を高め、無酸素運動で筋力や瞬発力を向上させることで、総合的な体力アップも目指せます。

さらに運動の種類を増やすことで、モチベーション維持にもつながるでしょう。

継続できる運動プランを立てながら運動を楽しんでください。

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