最近、肩こりや腰の重だるさが気になっていませんか。スタジオに通うのは少しハードルが高いと感じている方にとって、自宅でできるピラティスは手軽に始められる選択肢のひとつです。
自宅でピラティスを行う場合、正しい方法で継続することが大切です。本記事では、初心者の方でも安心して取り組める基本メニューや効果を高めるポイント、準備すべきものについて詳しく解説します。
ピラティスは自宅でやっても効果が出る?
自宅でピラティスを行っても、きちんと効果を期待できます。ただし、間違った方法で続けてしまうと、思うような結果が得られないこともあるため注意が必要です。
ピラティスは、呼吸と動きを連動させながらインナーマッスルを鍛えるエクササイズです。マット1枚分のスペースがあれば場所を選ばず実践でき、継続することで姿勢改善やストレス解消などの効果が期待できます。
自宅で行う際は、正しいフォームと呼吸法を意識することが重要です。誤ったフォームのまま続けると、効果が薄れるだけでなく、筋肉を傷めるリスクも高まります。まったくの初心者であれば、一度スタジオでインストラクターの指導を受けて基本を習得してから自宅で実践するのがおすすめです。
手軽に始められる!自宅ピラティスのすすめ
ピラティスに興味を持つ方は多いものの、実際に始めるまでには至らないケースも少なくありません。
NEXERとthe SILKが2025年11月に実施した調査によると、ピラティスをやってみたいと思ったことがある女性86名のうち、約7割が実際には始めていないことがわかりました。始めていない理由として「費用がかかる」「近所に教室がない」「やり方がわからない」という声が多く聞かれます。
自宅でピラティスを始める大きなメリットは、時間や場所を選ばず、自分のペースで取り組める点です。スタジオまでの移動時間や着替えの時間が不要で、好きなタイミングでレッスンを始められます。交通費もかからず、初期費用もマット1枚あれば十分です。
また、人目を気にせずリラックスして取り組めるのも自宅ならではの魅力です。「体が硬い」「うまくできているか不安」といった初心者特有の緊張も、自宅であれば感じることなく、自分のペースで練習を進められます。照明や室温なども自分好みに調整でき、動きや呼吸法に集中しやすい環境を整えられます。
調査データ引用元:https://the-silk.co.jp/welness-column/intro_to_pilates/
自宅ピラティスで用意するもの
自宅でピラティスを始めるために、最低限揃えておきたいものをご紹介します。
動きやすい服
ピラティスでは体の動きを確認しながら行うため、適度なフィット感と伸縮性のある服装が適しています。体のラインがわかりやすいウェアを選ぶと、姿勢や動きのチェックがしやすくなります。
お気に入りのウェアを着ることで、モチベーションも高まります。吸水性や速乾性に優れた素材を選ぶと、快適にエクササイズを続けられます。
こちらの記事では、ピラティスの服装について解説しています。人気服装ランキングや選び方のポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
マット
ピラティスのエクササイズでは、仰向けで背骨を床につけたり、膝や肘をついたりする動きが多くあります。体への負担を減らすため、マットは必ず用意しましょう。
ヨガマットではなく、背骨を保護できる厚みのあるピラティス専用マットがおすすめです。目安として1cm程度の厚さがあると、クッション性が高く安全に練習できます。滑りにくい素材を選ぶことも大切です。
マット1枚分のスペースがあれば場所を取らず、自宅で手軽にピラティスを楽しめます。
こちらの記事では、ピラティスの道具について解説しています。自宅での使い方や注意点も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
その他ピラティスグッズ
基本的にはマットさえあれば始められますが、慣れてきたらピラティスボールやフォームローラー、ゴムバンドなどの小道具を取り入れるのもよいでしょう。これらのグッズを使うと、エクササイズのバリエーションが広がります。
ただし、正しい使い方を知らないまま使用すると怪我のリスクがあるため注意が必要です。スタジオで指導を受けてから自宅で活用するのが安全です。
飲み物や汗拭き用タオルなど
ピラティスのエクササイズは汗をかくことも多いため、汗拭き用のタオルを準備しましょう。水分補給も大切なので、常温の水を用意しておくことをおすすめします。
長い髪の方は、動きやすいようにヘアゴムで髪をまとめておくとよいでしょう。
今日からできる!自宅ピラティスの基本メニュー
初心者でも取り組みやすい基本メニューをご紹介します。ポーズを行う前に、まずはピラティスの基本となる呼吸法と姿勢を確認しましょう。
まずは胸式呼吸をマスターしよう
ピラティスでは、肋骨を前後左右に広げるラテラル呼吸と呼ばれる胸式呼吸を行います。この呼吸法をマスターすることで、エクササイズの効果が高まります。
やり方は以下のとおりです。
1. 背筋を伸ばして姿勢を正し、肩の力を抜く
2. 肋骨や肺が膨らむイメージで鼻から息を吸う
3. 肋骨を元の位置に戻すイメージで、ゆっくりと口から息を吐き出す
息を吸ったとき、お腹が膨らまないように意識することがポイントです。感覚をつかむため、肋骨の下に両手をあてて、肋骨や肺が広がるのを感じながら練習するとよいでしょう。
なお、胸式呼吸は交感神経を活発にするため、寝る直前ではなく朝や昼の時間に練習することをおすすめします。
自宅ピラティスの基本メニュー①ニュートラルポジション
ニュートラルポジションは、ピラティスの基本姿勢です。骨盤が正しい位置にあり、背骨が自然なS字カーブを描いている状態を指します。この姿勢を保つことで、インナーマッスルが働きやすくなります。
仰向けで確認する方法は以下のとおりです。
- 仰向けに寝る
- 両手で三角形を作る
- 腰の左右にある骨(腸骨)と恥骨を結んだ部分に、三角形にした手を当てる
- 床と平行になっているか確認する
床と手のひらで作った三角形が平行になる位置が、骨盤のニュートラルな位置です。
自宅ピラティスの基本メニュー②インプリントポジション
インプリントポジションは、ニュートラルポジションから骨盤を後傾させた姿勢です。腰の反りを防ぎ、体幹の安定性を高める効果があります。腹筋運動や初心者の指導に適しており、腰痛予防にも役立ちます。
ニュートラルポジションとの違いは、骨盤の後傾です。背骨の自然なカーブを保つニュートラルに対し、インプリントでは意図的に腰を丸めます。
自宅ピラティスの基本メニュー③テーブルトップポジション
テーブルトップポジションは、股関節の真上に膝が来る90度のポジションです。脚の重さをお腹で支えることで、腹部のワークに効果的です。
やり方は以下のとおりです。
- 仰向けに寝る
- 片足ずつ持ち上げ、膝を90度に曲げる
- 股関節の真上に膝が来るように調整する
すねが床と平行に保たれ、テーブルのように見える姿勢を目指します。
自宅ピラティスの基本メニュー④ペルビックカール
ペルビックカールは、姿勢調整やヒップアップに効果が期待できる基本ポーズのひとつです。仰向けで行うため、初心者でも自宅で取り組みやすいエクササイズです。
やり方は以下のとおりです。
- マットに仰向けになり、両足を腰幅に開いて膝を立てる
- 骨盤の位置をマットと平行にしてニュートラルポジションを保つ
- 両手は体側に置いて息を吸う
- 息を吐きながら、骨盤、腰、背中の順に背骨をマットから持ち上げる
- 体は斜め一直線になる
- 息を吸い、吐きながら背中、腰、骨盤の順に背骨をゆっくりマットに下ろす
体を持ち上げるときは、背骨を一つずつ動かす「分節化」を意識することがポイントです。
自宅ピラティスの基本メニュー⑤チェストリフト
チェストリフトは、腹筋を強化する基本ポーズです。ペルビックカールが背骨を下から動かすイメージであるのに対し、チェストリフトは背骨を上から動かすイメージで行います。
やり方は以下のとおりです。
- 仰向けに寝て、ニュートラルポジションを意識する
- 両手の指を組み合わせて頭の後ろに回し、後頭部を支える
- 親指は首筋にあてて首を支える
- 息を吐いてゆっくり体を起こす
- 吸いながらゆっくり戻す
- 5回繰り返す
手で後頭部を押さないように注意し、お腹の力を使って体を起こすことがポイントです。みぞおちから体を持ち上げるイメージで行いましょう。
自宅ピラティスの効果を上げるためのポイント
自宅でピラティスを行う際に意識したい、効果を出すためのコツをご紹介します。
呼吸を止めない
ピラティスのエクササイズでは、呼吸を止めないことが重要です。動きに集中すると呼吸を止めてしまいがちですが、呼吸を止めると筋肉が緊張し、ピラティスの効果が十分に発揮されません。
動きと呼吸を連動させることで、余分な筋肉の動きを抑え、効率よく鍛えられます。最初は難しく感じるかもしれませんが、自分のタイミングで呼吸を続けることを心がけましょう。
反動を付けない
ピラティスのエクササイズは、反動をつけずゆっくりと丁寧に動くことが大切です。難しい動きでは姿勢を保ちにくく、つい反動をつけたくなるかもしれません。しかし、反動をつけて筋肉を急激に伸ばすと、筋肉に負担がかかり怪我のリスクが高まります。
ゆっくりと動くことで深層筋(インナーマッスル)を使い、怪我のリスクを減らせます。筋肉の動きを意識しながら、流れるように動きましょう。
スケジュールを立てて継続する
自宅でピラティスを行うときは、計画をしっかり立てることが重要です。好きなタイミングでできる自由さがある一方で、計画的に行わないと継続できない場合もあります。
ピラティスの効果を実感するには、ある程度の継続が必要です。最低でも10回のエクササイズが必要と言われており、週2〜3回行う場合でも約1ヶ月は継続しなければなりません。スタジオレッスンのようにスケジュールを決めて習慣化することで、長く続けられます。
初心者は講師に教わってから自宅ピラティスに取り組もう
自宅でピラティスを行うことには多くのメリットがありますが、同時にいくつかの難しさもあります。
最も大きな課題は、正しいフォームや呼吸法の習得が難しい点です。
初心者が自己流で行うと、間違った動きのまま続けてしまい、効果を得られない可能性があります。
誤ったフォームでエクササイズを続けると、期待した効果が得られないばかりか、かえって姿勢が歪んでしまうリスクもあります。不自然な動き方をすれば、筋肉を傷めたり怪我のリスクを高めたりすることもあるでしょう。
また、自宅でエクササイズをしているとわからないことが出てきても、スタジオのようにインストラクターに聞くことができません。不明点を解消できないまま進めると、正しいフォームでエクササイズできず、レッスンが無駄になってしまうこともあります。
筋力や骨盤の状態など体の特徴は人によって異なり、一般的な書籍や動画では個別の特徴を踏まえたエクササイズは難しいのが現実です。そのため、まずは一度でもインストラクターの指導を受けて基本的な動きを確認することをおすすめします。
とくに初心者の方には、マシンピラティスがおすすめです。マシンピラティスは専用マシンが体の動きをサポートしてくれるため、筋力が少ない方でも取り組みやすく、より早く正しいフォームを身につけられます。
各自のレベルに合わせて負荷を調整しやすく、運動の習慣がなかった方でも無理なくエクササイズを始められます。
まとめ
ピラティスは、マット1枚分のスペースがあれば自宅で行えます。スタジオに通う時間や着替えにかかる時間が不要で、自分のペースでエクササイズできる点がメリットです。周りの目を気にせず、気軽にレッスンできるのも魅力です。
ただし、正しい動き方と呼吸法で行わないと十分な効果が得られません。筋肉を傷めるリスクもあるため、自宅でピラティスを行う前に、まず正しい動きと呼吸法を習得しておくことが必要です。
初心者の方には、体の動きをサポートしてくれるマシンピラティスがおすすめです。体力や能力に合わせて負荷を調整でき、無理なくエクササイズを始められます。
女性専用マシンピラティススタジオ「the SILK」では、インストラクターの指導を受けながらマシンのエクササイズができます。月4回で無理なく通える「マンスリー4メンバー」のほか、通い放題のメニューがあり、目的や自分のペースに合わせて通うことができます。
体験レッスンは無料で受講できるため、自宅でピラティスを始める前にピラティスの基本を習得したい方は、ぜひお試しください。自分のための時間を大切にしながら、年齢に合った美しさとしなやかさを手に入れましょう。

