最近疲れやすい、寝つきが悪いと感じている方は、自律神経の乱れが原因かもしれません。とくに更年期を迎える50代以降の女性はホルモンバランスの変化により不調があらわれやすくなります。
この記事では、自律神経が乱れる仕組みと、胸式呼吸と姿勢改善を通じて心身を整えるピラティスの効果を分かりやすく解説します。
年齢を重ねても、軽やかでしなやかな美しさを保ちたい方に向けた内容です。
そもそも自律神経とは?
自律神経という言葉は耳にしていても、その働きを詳しく理解している方は多くありません。
心臓を動かす、呼吸をする、食べ物を消化するといった無意識の働きを調整しているのが自律神経で、脳の視床下部から全身に張り巡らされ、内臓や血管の状態を常に整えています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。
交感神経は仕事に集中しているときや運動時など、身体を活動モードに切り替える神経で、心拍数や血圧を上げるアクセル役です。
副交感神経はリラックス時や睡眠時に働きやすく、心拍数や血圧を下げて身体を回復させるブレーキ役です。
健康な状態では、この2つが状況に応じて切り替わり、日中は交感神経、夜は副交感神経が優位になるというリズムが保たれています。
しかしストレスや生活習慣の乱れが続くと交感神経ばかりが働き、夜になっても緊張が抜けず眠りにくくなるなど、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
自律神経そのものを意思で直接コントロールすることはできませんが、呼吸の仕方や姿勢、生活習慣を整えることでバランスを立て直すことは可能です。
とくにピラティスは、胸式呼吸と姿勢改善を通じて自律神経に働きかけるエクササイズとして注目されています。
自律神経が乱れる主な原因と症状
自律神経が乱れると、身体にも心にも不調があらわれます。
日常生活のさまざまな要因が重なり合うことで、そのバランスが崩れてしまいます。
自律神経が乱れる原因
自律神経の乱れは、ひとつの原因だけで起こるものではありません。
現代社会では複数の要因が重なり合い、自律神経のバランスが崩れやすい環境になっています。
ストレス
自律神経の乱れを引き起こす最も大きな原因のひとつがストレスです。ストレスには、人間関係や仕事のプレッシャーといった心理的なものだけでなく、気温の急激な変化や騒音、寝不足といった身体的なものも含まれます。
ストレスを感じると、身体は交感神経を優位にして戦うか逃げるかの準備をします。本来は生き延びるための本能的な反応ですが、現代社会では常に何かしらのストレスにさらされているため、交感神経が働きっぱなしになりやすくなります。
その結果、副交感神経への切り替えがうまくいかず、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
とくに更年期世代の女性は、家庭や仕事、親の介護など複数の役割を担っていることが多く、精神的な負担も大きくなりがちです。
生活習慣の乱れ
不規則な生活リズムも自律神経を乱す大きな要因です。私たちの身体には体内時計が備わっていて、朝になると目が覚め、夜になると眠くなるというリズムを刻んでいます。この体内時計は自律神経と深く関わっています。
夜更かしや不規則な食事、運動不足などの生活習慣の乱れが続くと、体内時計が狂いやすくなります。そうなると、交感神経と副交感神経が切り替わるべきタイミングでうまく切り替わらず、自律神経のバランスが崩れます。
夜遅くまでスマートフォンを見続けると、強い光の刺激によって脳がまだ昼間だと認識する可能性があります。そのため、交感神経が活発な状態が続いてしまい、睡眠リズムが乱れる可能性があるとされています。
また、食事の時間が日によって大きく変わると、消化器官のリズムも乱れやすくなり、副交感神経が十分に働きにくくなります。
猫背
姿勢の悪さも自律神経の乱れに大きく影響します。
2025年に実施した独自アンケートでは「自分の姿勢が悪いと感じたことがある」と回答した女性が全体の77.6%にのぼりました。多くの方が姿勢の問題を自覚している状況といえます。
さらに同じ調査で「主にどんな時に自分の姿勢が悪いと感じることが多いですか」と尋ねたところ「座っているとき」や「スマホをいじっているとき」という回答が目立ちました。
デスクワークやスマートフォンの長時間使用によって、気づかないうちに猫背になっている人が少なくありません。
猫背になると、背骨が本来の自然なカーブを失い、丸まった状態が続きます。自律神経は背骨の中を通る脊髄から枝分かれして全身に広がっているため、背骨が歪むと神経の通り道が圧迫され、自律神経の働きが妨げられます。
また、猫背の状態では胸が圧迫されるため、呼吸が浅くなりやすくなります。呼吸が浅いと酸素が十分に取り込めず、血流も滞りがちです。
その結果、自律神経にも少しずつ負担がかかり、不調につながる可能性があります。
アンケート引用元:https://the-silk.co.jp/welness-column/woman-posture-problems/
運動不足・過度な運動
適度な運動は自律神経のバランスを整えるのに効果的ですが、運動不足も過度な運動も自律神経には負担になります。
運動不足の状態が続くと、血液の循環が悪くなり、筋肉も硬くなります。血流が滞ることで全身に酸素や栄養が行き渡りにくくなり、自律神経の働きも低下します。
一方で、息が切れるほどの激しい運動や、汗を大量にかくような過度な運動も自律神経にとってマイナスに働きます。
強い負荷が続くと交感神経が過度に刺激されて身体が興奮状態になり、さらに激しい運動によって体内に活性酸素が大量に発生すると、自律神経そのものにダメージを与えることもあります。
大切なのは、自分の体力に合わせた適度な負荷の運動を無理なく続けることです。このような運動こそが自律神経を整えるうえで最も効果的です。
ピラティスは、この適度な負荷にあたるエクササイズといえます。
季節の変化
季節の変わり目に体調を崩しやすいと感じたことはありませんか。気温や気圧の変動も、自律神経に大きな影響を与えます。
季節の変化に伴って気温が急激に変わると、身体は体温を一定に保とうとして自律神経をフル稼働させます。また、気圧の変化も自律神経のバランスに影響します。
低気圧が近づくと副交感神経が優位になりやすく、身体がだるくなったり、強い眠気を感じたりすることがあります。
このような環境の変化に適応しようとして、身体は多くのエネルギーを消耗します。その結果、自律神経が疲れてバランスを崩しやすくなります。
とくに春や秋といった季節の変わり目は気温の変動が大きく、自律神経が乱れやすい時期です。
加齢(更年期など)
女性にとって更年期は、自律神経が大きく乱れやすい時期です。その主な原因は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が急激に減少することです。
エストロゲンの分泌を指令する脳の視床下部は、自律神経の中枢でもあるため、ホルモンバランスの変化が自律神経にも影響します。
その結果、ほてりやのぼせ、動悸、めまい、頭痛などの身体症状に加え、イライラや不安感、落ち込みなど心の不調もあらわれやすくなります。
更年期の不調には自律神経の乱れが深く関わるため、自律神経を整えることが症状をやわらげる大切なカギになります。
出典:オムロン ヘルスケア「更年期に起こりやすい症状は自律神経失調症と似ている?」(https://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/qa/menopause_Q10.html)
出典:大正製薬「更年期の不調と自律神経の関係」(https://www.taisho-kenko.com/column/112/)
自律神経の乱れが引き起こす症状
自律神経が乱れると、身体や心にさまざまな症状があらわれてきます。
身体的症状
疲れやすさやだるさ、頭痛、めまい、耳鳴り、肩こりや腰痛、動悸、息切れ、手足の冷え、ほてり、胃腸の不調、食欲不振、不眠など、さまざまな症状としてあらわれます。
交感神経が優位な状態が続くと筋肉の緊張がゆるまず、血流が悪くなるため、こりや痛みが生じやすくなります。
精神的症状
イライラしやすくなったり、不安感が強くなったりすることがあります。気分が落ち込みやすく、やる気が出ない、集中力が続かないといった状態になる場合もあります。
感情のコントロールが難しくなり、自分でも戸惑ってしまうこともあるかもしれません。これらの症状は、自律神経のバランスが崩れた結果として実際に起こっている反応です。
ピラティスが自律神経を整えるのに効果的な理由
ここからは、ピラティスが自律神経を整えるのに効果的な理由を4つの観点から解説します。
呼吸が整いリラックスできるから
ピラティスの大きな特徴のひとつが「胸式呼吸」を用いることです。鼻から息を吸い口から吐く深い呼吸を続けながら身体を動かしていきます。
自律神経の中で自分の意思でコントロールできるのは呼吸にほかなりません。意識して深くゆっくりと呼吸することで、副交感神経が優位になり身体がリラックスしやすくなります。
ピラティスの胸式呼吸では、肋骨を横に広げるようにして息を吸い込みます。このとき横隔膜が大きく上下に動き、内臓をやさしくマッサージする役割を担うのもポイントです。
深い呼吸によって横隔膜が活性化されるほど、内臓の働きが活発になり、血流の改善も期待できるでしょう。
さらに、新鮮な酸素が脳や全身の隅々まで行き渡るメリットもあります。酸素が十分に供給されると脳の働きがクリアになりストレスの緩和にもつながります。
ピラティスの後に頭がスッキリして爽快感を覚えるのは、こうした呼吸の効果によるものといえるでしょう。
身体の緊張を解消できるから
日常生活の中で、私たちの身体は知らず知らずのうちに緊張しています。とくにデスクワークやスマートフォンの使用時間が長い現代人は、肩や首、背中に常に力が入りやすい状態です。
このような筋肉の緊張が続くと血流が悪くなり、自律神経の働きも低下してしまいます。
ピラティスでは、インナーマッスル(身体の深層部にある筋肉)を鍛えることを重視します。インナーマッスルが鍛えられると、身体の芯から無理なく力を発揮できるようになり、表面の筋肉に余計な力が抜けやすくなります。
その結果、筋肉のこわばりが和らぎ、身体全体がリラックスしやすい状態になります。
また、ピラティスは「低閾値運動」と呼ばれる、日常生活に必要な範囲の筋力を使う運動です。激しい運動とは異なり、身体に優しい負荷で行うため、心地よい疲労感を得ながら続けやすいことも特徴です。
筋肉の緊張がほぐれると血流が改善し、自律神経の働きもスムーズになっていきます。
姿勢を改善できるから
先ほど猫背が自律神経に悪影響を与えることについてお伝えしましたが、ピラティスはこの姿勢の問題を根本から見直すのにとても効果的なエクササイズです。
ピラティスでは背骨を意識した動きを多く取り入れます。背骨を一つひとつ丁寧に動かすことで柔軟性が高まり、本来の自然なカーブを少しずつ取り戻していきます。
背骨が正しい位置に整うと、その中を通る脊髄や自律神経への圧迫がやわらぎ、神経の働きがスムーズになります。
さらにピラティスではインナーマッスルを鍛えることで、背骨や骨盤を正しい位置で支える力を育てます。とくに体幹の筋肉を強化すると、意識しなくても自然と正しい姿勢を保ちやすくなります。
ピラティスでバランスよく筋肉を鍛えることで、無理なく美しい姿勢をキープできる状態に近づきます。
姿勢が整うと呼吸もしやすくなり、内臓の位置も正しい状態に近づきます。その結果、自律神経の通り道がスムーズになり、全身の機能が本来の力を発揮しやすくなります。
血流が良くなるから
自律神経は、全身の血流をコントロールする役割も担っています。自律神経のバランスが乱れると、この血流のコントロールがうまくいかなくなり、冷えやむくみ、疲労感といった症状があらわれやすくなります。
ピラティスでは、全身をバランスよく動かすことで筋肉のポンプ作用が働き、血液やリンパの流れが促進されます。
とくに下半身の筋肉を使うエクササイズは、重力に逆らって心臓へ血液を押し戻すポンプの役割を果たし、全身の血流改善に役立ちます。
また、柔軟性を高めることも血流の改善につながります。筋肉がやわらかくなると血管への圧迫が減り、血液がスムーズに流れやすくなります。血流がよくなることで、酸素や栄養が全身の細胞に行き渡り、老廃物も効率よく排出されます。
血流が整うと脳への酸素供給も増え、思考がクリアになりやすくなります。
このように血流が改善されることで自律神経の働きも正常化し、心身ともに健康な状態を保ちやすくなります。
自律神経を整えるならピラティスとヨガどっちがいい?
自律神経を整えたいけれどピラティスとヨガのどちらを始めたらよいか迷う方は多いと思います。どちらも呼吸を大切にし心身のバランスを整える効果がありますが、アプローチは少し異なります。
ピラティスは胸式呼吸で交感神経を適度に刺激しながら、体幹を鍛えるエクササイズです。背骨や骨盤を安定させることで姿勢を整え、動きの中でインナーマッスルを強化します。効率よく身体を引き締めたい方や更年期による不調をケアしたい方に向いています。
ヨガは腹式呼吸で副交感神経を優位に導き、心を落ち着かせることを重視します。ポーズを保ちながら呼吸を深めることで、緊張をゆるめてリラックスしやすくなります。精神的なストレスを和らげたい方や瞑想も取り入れたい方におすすめです。
目的に応じてどちらかを選んでもよいですし、その日の体調に合わせて両方を組み合わせるのもひとつの方法です。自分のライフスタイルや目標に合わせて取り入れてみてください。
自律神経を整えるためのピラティスの実践ポイント
実際にピラティスを始めるとき、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
ここでは、自律神経を整えるためのピラティスの実践ポイントを5つご紹介します。
正しいフォームを心がける
ピラティスで最も大切なのは、正しいフォームで行うことです。間違ったフォームのまま続けてしまうと、効果が半減するだけでなく、かえって身体を痛めてしまうおそれがあります。
ピラティスでは、背骨や骨盤の位置、呼吸のタイミング、筋肉の使い方まで細かい部分を意識する必要があります。骨盤をニュートラルな位置に保つことや、肩甲骨を正しい位置に安定させることがとても重要です。こうしたポイントは、自己流ではなかなか気づきにくいものです。
正しいフォームを身につけることで、ピラティスの効果を最大限に引き出すことができます。また、正しい動きを繰り返すうちに、日常生活の中でも自然と正しい姿勢を保てるようになっていきます。
こちらの記事では、ピラティスの代表的なポーズについて解説しています。ポーズ一覧や呼吸法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
胸式呼吸と動きを連動させる
ピラティスでは、呼吸と動きを連動させることがとても重要です。呼吸を止めたまま動いてしまうと身体に余計な力が入り、十分な効果が得られにくくなります。
胸式呼吸のポイントは、鼻から息を吸うときに肋骨を横に広げ、口から息を吐くときにお腹を引き締めることです。この呼吸のリズムに合わせて身体を動かすことでインナーマッスルが効率よく働き、アウターマッスルの力みを自然に抜くことができます。
呼吸と動きを連動させることで、自律神経への働きかけも強まります。
動きに意識を向けながら深い呼吸を続けることで心が落ち着き、ストレスから解放されていきます。
日常生活の中で継続して取り組む
ピラティスの効果を実感するためには、継続することが何よりも大切です。
ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティスは「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で身体のすべてが変わる」という言葉を残しています。
最初は週に1回からでも問題ありません。無理なく続けられるペースでコツコツ積み重ねていくことが大切です。忙しい日々の中でも、1日10分だけピラティスの時間を確保することで、身体は少しずつ変化していきます。
継続することで、姿勢が整い、呼吸が深くなり、自律神経のバランスも安定していきます。焦らず、自分のペースを大切にしながら取り組んでいきましょう。
こちらの記事では、ピラティスの効果について解説しています。必要な期間や効果を高める方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
より効果を実感したい場合は専門家のレッスンも
より効果を実感したい場合は、専門のインストラクターによるレッスンを受けることをおすすめします。
とくに初心者の方や更年期世代で体力に不安がある方には、マシンピラティスが適しています。専用マシンが身体を支えてくれるため正しいフォームを保ちやすく、無理なく安全に続けやすい点が魅力です。
マシンの抵抗を調整することで、その日の体力や体調に合わせた負荷でエクササイズができ、自律神経を整える効果もいっそう期待できます。
女性専用ピラティススタジオ「the SILK」ではマシンピラティス中心のレッスンを用意しており、上質な空間で自分だけの時間を楽しみながら心身を整えられます。まずは無料体験レッスンで、その心地よさと変化を試してみてください。
食生活や生活習慣の見直しも忘れずに!
ピラティスは自律神経を整えるのに効果的ですが、日々の食生活や生活習慣も大きく影響します。
朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴び、体内時計をリセットしましょう。朝食をしっかり摂ることで胃腸が刺激され、自律神経の切り替えがスムーズになります。
栄養面では、タンパク質やビタミンC、ビタミンB群を意識して摂り、水分をこまめに補給することが大切です。夜はぬるめのお湯にゆっくり浸かり、副交感神経を優位にしてリラックスしましょう。
夜更かしを避け、毎日できるだけ同じ時間に寝る習慣をつけることも、自律神経の安定につながります。ピラティスとあわせて生活習慣を整えることで、自律神経のバランスをより効果的に整えやすくなります。
まとめ
自律神経の乱れは、更年期世代の女性にとって避けがたい悩みのひとつです。しかし、ピラティスを日常生活に取り入れることで、心身ともに健やかな状態を少しずつ取り戻すことができます。
深い胸式呼吸で心を落ち着かせ、正しい姿勢を保ち、適度な運動によって血流を改善していく。ピラティスには、自律神経を整えるための要素がすべて凝縮されています。
年齢や体力を問わず、どなたでも無理なく始められるのがこのエクササイズの魅力といえるでしょう。自律神経を整えることは、今の自分に合ったしなやかな美しさを育む第一歩です。
女性専用スタジオ the SILKでは、専門監修のオリジナルプログラムが全15種類あり、ラグジュアリーな空間で、一人ひとりに合わせて丁寧に指導します。
高難度の試験に合格したインストラクターのみがレッスン指導を行っており、目標に合わせたサポートで、安心感のあるレッスンをお届けします。
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