「運動不足を解消したいけれどジムに行く時間がない」
「ピラティスに興味はあるけれどスタジオ通いは大変」
そんな方におすすめなのが、壁を使って自宅でできるウォールピラティスです。
壁がサポートとなるため正しいフォームを保ちやすく、初心者でも体幹トレーニングや姿勢改善に取り組みやすいのが魅力です。
この記事では、基本の考え方から効果、安全に行うポイント、自宅でできるエクササイズまでわかりやすく紹介します。
ウォールピラティスとは?
ウォールピラティスとは、壁を使って行うピラティスエクササイズのことです。壁を補助や負荷として活用できるため、自宅でも本格的な効果を得やすい点が特徴です。
ピラティスはドイツ人のジョセフ・H・ピラティスがリハビリのために考案したもので、体幹の安定や姿勢の改善に役立つことで広く知られています。
ウォールピラティスでは、壁がマシンピラティスのフットバーのような役割を担い、足や手を押し当てることで適度な抵抗が生まれます。壁を基準にすることで正しい姿勢も保ちやすくなります。
初心者はフォームが安定しやすく、上級者は角度を変えて負荷を高めることも可能です。特別な器具が不要で、自宅の壁ひとつあれば始められる手軽さも魅力です。
ウォールピラティスとほかのピラティスの違い
ピラティスには、大きく分けて3つの種類があります。それぞれに特徴があり、メリットとデメリットも異なります。違いを知っておくと、自分に合った方法を選びやすくなります。
ウォールピラティスとマットピラティスの違い
マットピラティスはヨガマットの上で行う最もシンプルな方法で、自宅で気軽に始められます。また、ウォールピラティスは、壁が姿勢をサポートしてくれるため安定して動け、自宅でもより本格的なエクササイズに近い効果を得られるのが大きな強みです。
ただし、どちらも補助器具がないため、自分の体重をすべて支えながら動く必要があり、初心者はフォームが崩れやすいという課題があります。
こちらの記事では、マットピラティスについて解説しています。マットピラティスの効果や注意点も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
ウォールピラティスとマシンピラティスの違い
マシンピラティスは、リフォーマーなどの専用マシンを使って行う方法です。マシンが体を支えつつ適切な負荷を加えてくれるため、幅広い動きができる点が特徴です。負荷を細かく調整できるので、正しいフォームを維持しやすいメリットもあります。
体幹を効率よく鍛えたい方や専門的な指導を受けたい方に向いており、インストラクターのアドバイスで体のクセや改善点を知ることもできます。
こちらの記事では、マシンピラティスについて解説しています。マシンピラティスの効果やマットピラティスとの違いも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
一度ダイエットを諦めた方にもウォールピラティスはおすすめ!
ダイエットや運動を始めても続かず、途中で挫折してしまった経験はありませんか。
同じ悩みを抱える方は多く、the SILKの調査でも「ダイエットをやめてしまったことがある」と答えた人は75.6%にのぼりました。理由を見ると「三日坊主になった」「長続きしない」といった声が多く、習慣化の難しさがわかります。
その点、ウォールピラティスは準備がほとんど不要で、自宅のスキマ時間に取り組めるため続けやすい運動です。負荷も調整しやすく、朝や寝る前の5~10分でも体幹にしっかりアプローチできます。
壁が姿勢を支えてくれるため無理がなく、運動が苦手な方でも続けやすいのが魅力です。過去にダイエットを挫折した方でも、再挑戦しやすいエクササイズといえるでしょう。
調査データ引用元:https://the-silk.co.jp/welness-column/diet-motivation-looks/
ウォールピラティスで期待できる効果
ウォールピラティスを継続すると、体にさまざまなよい変化が表れます。腹筋や背筋、骨盤周りなどの体幹部を重点的に鍛えられるのが大きな特徴です。
とくに、腹横筋や骨盤底筋群といったインナーマッスルにしっかり働きかけます。インナーマッスルは体の深い部分にある筋肉で、姿勢の安定や内臓の位置を支える重要な役割を担っています。
これらの筋肉を鍛えることで、ぽっこりお腹の解消や内側からの引き締め効果が期待できます。体の中心が整うことで、見た目の印象も大きく変わっていきます。
姿勢を改善できる
ウォールピラティスの代表的な効果のひとつが、姿勢の改善です。現代人の多くが悩む猫背や反り腰といった姿勢の乱れに、効果的にアプローチできます。
デスクワークやスマートフォンの使用が続くと、私たちは無意識のうちに前かがみの姿勢になりやすくなります。この状態が積み重なると、背骨の自然なカーブが崩れ、肩こりや腰痛の原因にもつながります。
ウォールピラティスでは、壁に後頭部、肩甲骨、お尻、かかとをつけることで、正しい姿勢の感覚を体に覚え込ませることができます。壁が基準となるため、骨盤の位置や背骨の整列を正確に感じ取りやすくなるのです。
さらに、体幹が強化されることで姿勢を支える力がつき、日常生活でも自然とよい姿勢を保ちやすくなります。
関節の柔軟性がアップする
ウォールピラティスは、筋力強化だけでなく柔軟性の向上にも効果的です。壁が動きをサポートしてくれるため、体が硬い方でも無理なくストレッチ効果を得られます。
とくに太ももの裏側や股関節周りの筋肉に変化が表れやすく、関節の可動域が広がることで怪我の予防にもつながります。筋肉が柔らかくなると血流が改善し、肩こりや腰痛の緩和も期待できます。
ストレスを発散できる
ウォールピラティスには、メンタル面でもよい効果があります。深い呼吸を意識しながら行うことで、心身のリラクゼーションが促されます。
ピラティスでは、胸式呼吸と呼ばれる呼吸法を用います。鼻から深く息を吸い込み、口からゆっくり吐き出すこの呼吸法には、自律神経の働きを整える働きがあります。
深い呼吸によって副交感神経が優位になり、ストレスホルモンの分泌が抑えられることで心が落ち着いていきます。
仕事や家事の合間に取り入れることで、気持ちを切り替えるよいきっかけにもなるでしょう。
ウォールピラティスを安全に行うためのポイント・注意点
ウォールピラティスは比較的安全に取り組めるエクササイズですが、より効果的に、そして怪我なく続けるためには押さえておきたいポイントがあります。
十分なスペースを確保する
ウォールピラティスを始める前に、まずは適切なスペースを確保しましょう。壁からは約1.5m、横幅も含めて畳一畳分ほどの空間があれば十分です。
周囲に物が置いてあると、動作中にぶつかったり転倒したりする危険があります。エクササイズを始める前に、周囲を片付けて安全な環境を整えておきましょう。
さらに、使用する壁が安定しているかどうかも重要です。コンクリート壁やしっかりとした構造の壁を選ぶことで、体重を預けても安心してエクササイズに集中できます。
床にマットを敷く
床が滑りやすかったり硬かったりする場合は、ヨガマットを敷いて行いましょう。
マットを使うことで滑りを防げるだけでなく、関節への負担も軽減できます。背中や腰が床に当たっても、マットのクッション性が体を保護してくれるため安心です。
ヨガマットがない場合は、厚手のバスタオルを何枚か重ねて敷くのもよい方法です。自宅にあるもので代用しながら、快適に続けられる環境を整えましょう。
滑りにくい服装に着替える
ウォールピラティスを行う際は、動きやすく滑りにくい服装を選びましょう。足元については、裸足か滑り止め付きのソックスがおすすめです。
服装は、体のラインがある程度わかるフィット感のあるものが理想的です。ダボダボの服だと動きが見えにくく、フォームのチェックがしにくくなります。動きに合わせて体の軌道を確認できるウェアを選ぶと、安全性も高まります。
また、お気に入りのウェアを身に着けることで気持ちが引き締まり、モチベーションの維持にもつながります。
無理のない時間・回数からはじめる
ウォールピラティスを始めるときは、無理のない時間と回数から取り組むことが大切です。
最初から頑張りすぎると体を痛めたり、続けるのが辛くなったりします。まずは1日10分ほどの軽いエクササイズから始めてみましょう。
毎日少しずつ続けることで、体の変化を実感しやすくなります。慣れてきたら、週3回から4回を目安に本格的な動きを取り入れるのがおすすめです。継続こそが効果を高めるポイントです。
正しいフォームを意識する
ウォールピラティスの効果をしっかり得るためには、正しいフォームで行うことが欠かせません。誤った姿勢のまま続けると効果が薄れるだけでなく、体を痛める原因にもなります。とくに反り腰や猫背の方は注意が必要です。
壁に立ったとき、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとの4点が自然につく「ニュートラルポジション」が理想的な姿勢です。この位置を基準に動くことで、安全にエクササイズできます。
フォーム確認には鏡やスマートフォンでの撮影が便利です。必要に応じてインストラクターに見てもらうのも効果的です。
呼吸のリズムも意識する
ピラティスでは呼吸がとても重要です。ウォールピラティスでも、呼吸と動きを連動させることで効果が大きく高まります。基本となるのは胸式呼吸で、鼻から深く吸い、口からゆっくり吐き出します。
力を入れるときに吐き、戻るときに吸うことで、筋肉に効率よく刺激を与えられます。最初は動きと呼吸の両方を意識するのが難しいかもしれませんが、慣れてきたらリズムを整えるよう意識しましょう。呼吸を止めると体が緊張するため注意が必要です。
首に負担のかかるエクササイズはしない
ウォールピラティスでとくに注意したいのが首への負担です。首は構造的に不安定なため、過度な負荷がかかる動きは痛みの原因になります。
SNSでは、首に大きな負担をかけるようなポーズを取った動画が見受けられますが、首だけで体を支えたり、無理にひねったりする動きは避けましょう。
痛みを感じたら中断する
エクササイズ中に痛みを感じたら、無理をせずすぐに中断することが大切です。痛みは体からの警告信号であり、無視して続けてしまうと怪我につながります。
筋肉の心地よい疲労感や適度な伸びを感じるのは正常な反応で、効果が表れている証拠ともいえます。一方で、関節に鋭い痛みが走ったり、しびれを感じたりする場合は危険信号です。
このような痛みが出たときは、すぐにエクササイズを中止し、必要に応じて医療機関を受診し、体の状態を確認しましょう。
手軽にできる!おすすめのウォールピラティスエクササイズ7選
ここからは、自宅でできるウォールピラティスのエクササイズ7種を紹介します。初心者でも取り組みやすく、ぽっこりお腹やヒップアップに効果的です。
ペルビックカール
ペルビックカールは、体幹と背骨の柔軟性を鍛える基本的なエクササイズです。仰向けに寝て両足の裏を壁につけ、膝は90度程度に曲げた状態をつくります。
息を吐きながら、骨盤をゆっくり持ち上げ、背骨をひとつずつ床から離していきます。肩から膝までが一直線になったら、息を吸いながら背骨を順番に床へ戻しましょう。
ウォールスクワット
ウォールスクワットは、太ももやお尻、体幹を同時に鍛えられるエクササイズです。壁に背中をつけて立ち、足は肩幅程度に開きます。そこから壁との距離を保つように、足を30cmほど前に出しましょう。
息を吸いながら、ゆっくりと腰を落としていきます。太ももが床と平行になる位置まで下げたら10秒ほどキープし、息を吐きながら元の姿勢へ戻ります。膝がつま先より前に出ないように注意することがポイントです。
5~10回を目安に、無理のない範囲で繰り返しましょう。
ハンドレッドパンピング
ハンドレッドパンピングは、腹筋を使いながら呼吸を行い、体幹の安定性を高めるエクササイズです。
両腕を床と平行に伸ばし、小刻みに上下へ動かしましょう。5回吸って5回吐くリズムを1セットとし、合計10セット行うのが理想的です。ただし、最初は無理のない回数から始めて構いません。
呼吸のリズムを保つことを意識しながら行いましょう。
サイドレッグリフト
サイドレッグリフトは、下半身の引き締めとバランス感覚を高めるエクササイズです。
体を横向きにし、肩と肘が一直線になるようにします。下の足は軽く曲げ、上の足はまっすぐ伸ばします。体を一直線に保ちながら、上の足を真上に持ち上げます。
片脚10回ずつを目安に、無理のない範囲で繰り返します。
ウォールプランク・プランクねじり
ウォールプランクは、通常のプランクより負荷が軽く、初心者でも取り組みやすいエクササイズです。
壁から約1m離れて立ち、両手を肩幅程度に開いて壁につけます。体を斜めに傾け、頭からかかとまで一直線になるよう意識しながら、10~30秒ほどキープしましょう。
動きに慣れてきたら、プランクねじりにも挑戦してみましょう。片足を壁から離し、膝を反対側の肘へ近づけるように体をひねります。
ウォールプッシュアップ
ウォールプッシュアップは、バストアップや二の腕の引き締めに効果的なエクササイズです。壁から約60cm離れて立ち、両手を肩幅より少し広めに開いて壁につけます。
息を吸いながら肘を曲げ、胸をゆっくり壁へ近づけましょう。次に、息を吐きながら腕を伸ばし、元の姿勢へ戻ります。肘は真横ではなく、斜め後ろへ引くイメージで曲げると、腕にしっかり負荷がかかります。
開脚ウォールストレッチ
開脚ウォールストレッチは、股関節の柔軟性を高めるシンプルなエクササイズです。壁の前で仰向けになり、お尻をできるだけ壁に近づけて脚を上へ伸ばします。
そのまま左右にゆっくり広げ、心地よく伸びる位置でキープしましょう。深い呼吸を続けながら、無理のない範囲で角度を広げていくのがポイントです。
股関節が柔らかくなると血流がよくなり、むくみや冷えの緩和にも役立ちます。リラックス効果も高く、寝る前の習慣にもおすすめです。
まとめ
ウォールピラティスは、自宅の壁ひとつで始められる手軽さと、マシンピラティスのような補助効果を兼ね備えたエクササイズです。体幹強化や姿勢改善、柔軟性アップ、ストレス軽減など幅広い効果が期待でき、短時間でも続けるほど体の変化を実感しやすくなります。
さらに本格的に身体を変えたい方には、マシンピラティスがおすすめです。
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